長崎県佐世保市にあるハウステンボス隣接地での統合型リゾート誘致に関して、長崎県は8月30日にCasinos Austria International Japan(以下、CAIJ)と基本協定を締結した。しかし、今回のプロセスについては控えに行っても物議を醸しており、CAIJのライバルであった2者は今回の決定について異議を唱えている。今週月曜から金曜にかけて予定している特別レポートでは、カジノオーストリアについて詳しく見ていき、また今後の長崎初の統合型リゾート開発への道のりについて考察する。
2021年9月13日(月) パート1: 概要と背景
2021年9月14日(火) パート2: IR運営能力
2021年9月15日(水) パート3: 財務能力
2021年9月16日(木) パート4: 日本の期待に応える
2021年9月17日(金) パート5: 結論及び挑戦
パート1: 概要と背景
3年で何が変わったのか。2018年、日本は世界の最大手と言われるようなIR事業者にとって「なくてはならない」場所であり、20以上の事業者が、アジアで2番目に大きい(そして世界3番目の規模)経済圏で統合型リゾートを最大3か所設置の1か所を獲得するために熱心に競い合ってきた。日本の12か所でIR誘致の可能性がある都市として言われてきた時期がある。今日では、MGMのみの公募となった大阪、そして最終的にはクレアベスト1者での事業者パートナー選考を行った和歌山、そして長崎である。
少なくとも長崎県では、最終的に競争の激しいプロセスを経て、5者から3者に絞り込まれ、Casinos Austria International Japan、Oshidori International Development合同会社(以下、オシドリ)、そしてNIKI Chyau Fwu (Parkview) Group(以下、NIKI)となった。8月10日に長崎県がCAIJを優先交渉権者として発表した際、オシドリは 「不当行為」と言い、NIKIは「非常に問題あるプロセス」と申し立て、一筋縄ではいかない状況となった。2者とも最終プレゼンテーション数日前に辞退を迫られていたと主張しており、オシドリは長崎県情報公開条例に基づき、「公文書開示請求」を2度提出している。
オシドリとNIKIの主張については、これまで多く取り上げてきたので、今週はカジノオーストリア及び同社の実績、長崎県のIRで今何が起こる可能性があるのかについて焦点を当てていく。
長崎県は、CAIJとの基本協定締結を発表した際に、共同で「区域整備計画」を作成し、2022年4月28日が期限である国土交通省への認定申請を行う。
明日のパート2では、カジノオーストリアのIR運営能力とどのようなリゾートを開発するのかについて考察する。