和歌山マリーナシティにIR(カジノを含む統合型リゾート施設)誘致を目指す和歌山県は8月26日、和歌山県特定複合観光施設設置運営事業に係る優先権者と8月25日に基本協定を締結したことを発表した。
県と基本協定を締結したのは、クレアベストニームベンチャーズ株式会社及びClairvest Group Inc.のコンソーシアム。和歌山県は7月21日、和歌山IR事業者公募における優先権者について、同グループを選定していた。IR事業について、IR事業者と基本協定を結んだのは全国初。
基本協定とは、公募手続に則り、優先権者が和歌山IRを実施する民間事業者として選定されたことを確認するとともに、区域整備計画について国土交通大臣の認定を受け、実施協定締結に至るまでに必要な諸手続などについて定めるもので、具体的には、優先権者の費用負担に関する事項(履行保証金)、IR事業者の設立に関する事項(特定の目的会社設立)、廉潔性の確認に関する事項(コンソーシアムに加わる事業者の廉潔性調査)などの手続を指す。
今後は、県と優先権者が共同して区域整備計画を作成し、申請期限である2022年4月28日までに国への申請を行う。
県は「その際、優先権者に対し、提案内容の更なるブラッシュアップ、事業実施体制の強化などを求めるとともに、地域経済の発展や地元雇用の創出に寄与するため、県内事業者が広く参画できるオール和歌山の体制づくりを求めていく。新型コロナウイルスの感染状況を踏まえながら、説明会等を実施することで、県民の皆様に対し、IRに関する正しい情報や本県がIR誘致を推進する理由を発信していく」としている。
県のIR推進室はIAGの取材に「和歌山県は粛々と一歩一歩プロセスを進めておりますので、その手続が一歩進んだというところ」とコメントし、堅実性を強調した。