長崎県のIR事業者公募で選定されなかった2者のうちの1者であるOshidori International Development合同会社(以下オシドリ)の親会社のOshidori International Holdings Inc.は、同県の決定に関連して3度目の公文書開示請求を提出した。
今回の請求は、同県が佐世保市のハウステンボスに隣接するIR事業開発に係る優先権者にカジノオーストリアを選定したことを受けて、8月13日と9月1日に続く9月14日に行われたもの。
長崎県のRFP採点システムで次点のオシドリとその次のNIKI Chyau Fwu(Parkview)Groupの両者は、「廉潔性調査に懸念がある」という理由で辞退を求められたとし、選考過程に疑問を呈している。オシドリに至っては、このプロセスが不当行為であると述べている。
Inside Asian Gamingが入手した情報によると、オシドリの同県に対する最新の開示請求は、RFPに基づく各審査委員による第一次審査参加者の得点案の採点結果、第二次審査参加者の得点に係る各審査委員の採点結果、また各審査委員による傾斜配点および第一次審査得点案及び得点の算定方法を示す全資料の提供を求めている。
また、長崎県独自の各審査委員の選定基準、各審査委員の選定に至るまでの経緯を示す資料、審査委員会の議事録または記録、審査委員会の配布資料または参考資料、そして採点に関するやりとりの全資料(長崎県関係者が審査委員に指示したものを含む)も要求している。
最後に同社は、運営能力、財務諸表、財務能力、運営体制等に関連するカジノオーストリア自身の提出資料の提供を求めている。
同社の代理人弁護士はIAGに対し、「一連の請求の目的は、選考プロセス全体が公正公平、そして専門的に、倫理的に行われたかどうかを確認することである」と述べた。
「長崎県から条例に基づいて10月中に関連資料を開示するとの連絡があったが、どの程度の情報が開示されるのかわからない。開示書類を慎重に検討し、必要に応じてさらなる措置を講じたい」。
これまでの情報開示請求では、8月13日に「長崎県が委託した調査会社による廉潔性調査の報告書」、「長崎県のアドバイザーが行った助言の内容」、およびカジノオーストリア、NIKI、オシドリの「廉潔性調査」の内容の開示を請求。
9月1日の請求では、2016年1月1日から2021年8月31日までの間に同県とカジノオーストリアおよびまたはその代理人やアドバイザーとの間で行われた「全ての会合」および「全ての会食」の「記録(日時、参加者、議論の内容を含む)」の公開を求めていた。
同県とカジノオーストリアは、8月30日にIR事業開発に関する基本協定を締結している。