格付け会社のフィッチによると、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、流動性とフリーキャッシュフローの生成への懸念が継続しているため、1億4,000万から1億5,000万米ドル(約155億〜166億円)の債券を発行しても、ユニバーサルエンターテインメントの発行体デフォルト格付け、上位担保付き債務格付け、回復格付けにプラスの影響を与えないとのこと。
ユニバーサルは今週初め、2021年12月満期の1億1,800万米ドル(約131億円)の既存債券を償還するために、昨年9月に実施した大規模な債券発行に加えて、追加の債券発行を進めていることを認めた。
同社は今回の追加発行および既存債券の早期償還に関し、「当社のキャッシュフローを改善し、流動性を確保するため」と回答。
しかし、フィッチは6月16日(水)に、同社の発行体デフォルト格付けCCC+、上位担保付き債務格付けCCC+、回復格付けRR4のいずれも調整しないと認めた。
その代わりに、景気後退の中での同社の現金燃焼率の終わりをより明確に把握できれば、格付けがプラスに転じると述べた。
「感染拡大が続く中、フリーキャッシュフローの低迷が長期化する恐れがあり、カジノ事業とアミューズメント機器事業の両方がさらに悪化する可能性がある」。
「ユニバーサルは、マニラ・エンターテインメントシティ最大の統合型カジノリゾートであるオカダ・マニラの事業者として、また、日本でパチンコ・パチスロ機器を製造・販売している日本の遊戯機事業において、感染拡大の影響を強く受けている」。
フィッチは、ユニバーサルが現在抱えているリスクに旅行規制、感染拡大、ロックダウンなどを挙げ、これらのリスクが更なる現金燃焼率や流動性の悪化につながり、「事業や信用度を更に圧迫しかねない」としている。
ユニバーサルは先日、2021年3月31日までの3ヶ月間に52億1,000万円の親会社の所有者に帰属する純損失を計上した。