文責:アリダッド・タッシュ
世界のリーダーたち、 疫学者そしてメディアが、新型コロナウイルスとの世界的な闘いの中で、ヨーロッパやアメリカが見習うべきモデルとしてシンガポールと韓国の名前を挙げている。
例えば、ニューヨークタイムズ紙は3月23日に、「韓国はどのように曲線を平にしたのか」という記事を出し、CNBCの3月31日にの記事のタイトルは「新型コロナウィルス専門家、ロックダウン中の各国はシンガポールがしたようにすべきだ」というものだった。
両国が称賛に値する一方で、顕著に世界的な称賛が与えられていないのが、それら2国と並んで名前が挙がるのに値するマカオだ。
その良い例が、金曜シンガポールの首相が新型コロナウイルスと闘うための一連の対策を発表したことだ。その中には、学校やカジノの閉鎖が含まれており、マカオでは何週間も前に実施されていた。首相はさらに、「人々にマスク着用を思いとどまらせるようなことはもうしない」とも発言し、これはシンガポールが受け取ってきたあらゆる称賛を考えると驚くべき発言だった。マカオは以下の5つの取り組みに関して称賛されるべきだ。
学校閉鎖
マカオは1月下旬から、韓国は2月中旬から、そしてシンガポールは4月上旬。
カジノ
マカオは2月5日から15日間カジノを営業停止にし、それ以降はバカラテーブル1台当たりのプレイヤー数を通常の7人に対して4人に制限するなどの営業に関する厳しいガイドラインを実施してきた。韓国のカジノ営業禁止はつい最近まで全施設に一様には適用されていなかった。シンガポールは両カジノの営業停止を発表したところだ。ゲーミング税がその歳入の86%を占めていることを考えるとマカオのカジノ営業停止は、英断だった。64万人の住民のうちの5万8千人がカジノに雇用されているために、そのカジノを閉鎖するのはほぼ不可能なことだ。
マスク
4月2日、世界保健機関(WHO)が、一般の人が普通のマスクを着用することにもう反対しないと述べた。マカオが2月初めから全住民にマスクが行き渡るようにし、公の場所でのマスク着用を定着させるために全力を尽くしてきた状況とは対照的だ。マカオの行政長官は、それ以降公の場に現れる際は常にマスクを着用していた。
検査と追跡
シンガポールと韓国は、その厳密な検査で称賛を受けるに値するが、マカオも同様に、その厳重な追跡努力が称賛に値する。その努力によってこれまでに、44人の感染者のうちの複数人の感染が見つかった。
スピード
マカオの新任の行政長官は決断力があり素早い。急激に拡大するウィルスに対処する時、スピードは不可欠だ。
世界で最も人口が密集する地域としてしばしば名前があがる地域として、マカオは2002年のSARSから学んだ多くの教訓を実行に移した。その成功は認められるに値するもので、世界の他の地域の大半よりもはるかに優れており、アジアの近隣国の最高峰と比べても引けを取らない。