香港のヘッジファンド、アーガイル・ストリート・マネジメント(ASM)は、東南アジアでカジノを運営するドナコ・インターナショナルの19.25%の株式を取得してからたった1週間で、取締役会での二席獲得を書面によって要求した。
ドナコは月曜、最新の投資家が、関連会社のオンヌットロードからKurkye Wong氏とYan Ho Leo Chan氏の2名の取締役への任命を求めていることを明かした。
ASMは、ドナコが「同社の株主を反映した新しい取締役会が確立されるまで、社内体制、資本構成、会社資産の取得または売却、そしてまた同社の内部支配に実質的な変化を生じさせる一切の決定を控えること」も要求している。
タイのホテル王、チャニン・ドナバニック氏が支配すると伝えられているASMは、10日前にオーチャード・キャピタル・パートナーズ(OCP)からドナコの19.25%の株式を取得しており、今回の展開はそれを受けてのものとなる。ASMが取得した株式は、OCPが以前にドナコの創業者であるジョーイ・リム氏から取得した27.25%の株式の大部分を占めていた。リム氏は2018年11月にローンの支払いで債務不履行に陥っていた。
ASMが取締役会での席を即座に要求した一方で、ドナコは月曜のASXへの提出書類の中でより慎重なアプローチを示唆した。
ドナコは「会社の取締役会と経営陣はこれまでに、オンヌットロードまたはその関連会社である香港のアーガイル・ストリート・マネジメントの代表者と全く接触のようなものは持っていない。従って、取締役会は、会社に対するASMの意図、または会社の19.25%の議決権取得や取締役会に2名を任命することを求める理由を認識していない」と述べた。
ドナコは、取締役会には5名の役員がおり、通常ならASMは2名ではなく1名の取締役を置く資格を持つことになるとも述べている。
皮肉にも、シルバー・ヘリテージ・グループのジェームス・スペンスリー会長率いる別の株主集団が、ジョーイ・リムおよびベン・リム両氏を取締役から排除するための正式な申請を行なったことで、臨時株主総会がすでに7月18日に予定されている。
ドナコは、取締役会での席に関するASMの要求に対して、一切確約はできないが、同社の意図、そして2名の候補者の資格と経験をより理解するための協議を始めるつもりだと述べた。