クラウン・リゾーツの会長、ジョン・アレクサンダー氏が、クラウンとアジア犯罪組織とのつながりを主張するニュース報道を「扇動的」と呼び激しく非難し、同時に自社の犯罪分子に対する「ゼロトレランス(不寛容)」ポリシーを主張した。
水曜の19年度業績報告の中での同氏のこのコメントは、オーストラリアの新聞、The Sydney Morning HeraldとThe Age、そしてチャンネル9のテレビ番組「60 Minutes」が、アジア拠点のVIPプロモーター、別名ジャンケットの使用を疑問視し、大規模マネー・ロンダリングへの関与を伝え、クラウンに損害を与える一連のメディア報道を行なったことを受けてのものとなる。
それらの主張がオーストラリア法執行公正性委員会(Australian Commission for Law Enforcement Integrity)による調査の引き金になったが、アレクサンダー氏は今週、観光、雇用、トレーニングそして19年度の企業の社会的責任プログラムにおけるクラウンの役割を通じたオーストラリア経済への貢献に言及し、語気を強めた。
同氏は、「クラウンの評判を不当に傷つけようとする最近のメディア報道によってクラウンの貢献が忘れられる危険性がある。クラウンが営業を行うのはオーストラリアで最も厳しい規制が敷かれている業界の1つあり、当社の事業は州のゲーミング規制当局やAUSTRACなどの政府機関による継続的な見直しや監視の対象になっている。最近のメディア報道や問題としてあげられた疑惑の扇動的な性質を考えると、様々な規制当局やその他機関が調査を開始したことは何ら驚くことではない。クラウンは犯罪分子へのゼロトレランスの姿勢を貫いており、これらの調査は規制当局やその他機関と継続して協力するための機会だと見ている」と述べた。
今月に入って、22億豪ドル(約1,589億円)規模のクラウン・シドニーの監督を担う規制機関のNSW独立酒類・ゲーミング局が、マカオのメルコリゾーツ&エンターテインメントによる最近のクラウン株19.99%の取得への2度目の調査を実施することも発表されていた。
その取引が保留になっている一方で、クラウンは少なくとも、そのシドニー開発が時間通り、そして予算通りに進んでいることに慰めを見いだすことができる。
水曜同社は、「クラウン・シドニー・ホテルリゾートの建設はスケジュール通りに進んでいる。タワーエレベーターの中核構造は51階まで建設され、6階の最初のホテル客室の設備取り付けはかなり進んでいる。ポディウム構造は完成し、外側のガラス取り付け工事と正面作業がかなり進んでいることで、ポディウムの全エリアで設備取り付け作業を進めることができる。プロジェクトは2021年前半の完成予定のまま順調に進んでいる」と明かした。