和歌山県が誘致を進めるIR(カジノを含む統合型リゾート施設)について、県は、住民に説明するには内容が不十分とする県議会の提言を受け、11月25日から12月5日にかけて県内14カ所で予定していた住民への説明会やパブリックコメントを延期することを発表した。
19日に開かれた県議会の特別委員会で、県と設置・運営事業予定者であるクレアベストニームベンチャーズ株式会社及びClairvest Group Inc.(カナダ)のコンソーシアムの担当者が、カジノ運営には米大手カジノ事業者シーザーズ・エンターテイメントが関わることや、MICE施設の整備計画案などについて説明した。
議員側からは、資金調達の面やIR運営事業主体の構成メンバーなどについて質問がなされたが、県とクレアベストは、具体的な内容は現時点では話せないと回答した。
これを受けて委員会は、住民に説明するには内容が不十分で、(説明会は)現段階では延期すべきだという意見をまとめた。県は委員会の意見を認め、説明会とパブリックコメントを延期すると発表した。次回の説明会については来年2月頃の開催を予定しているとした。
和歌山県では、クレアベストニームベンチャーズ株式会社及びClairvest Group Inc.のコンソーシアムが今年8月にIR設置・運営優先権者として選定され、県と基本協定を結び、9月末には米国の大手カジノ企業であるシーザーズ・エンターテイメントがカジノ事業者として参加することが発表された。県とクレアベストは共同して区域整備計画を作成し、申請期限である2022年4月28日までに国への申請を目指している。