10月31日に行われた第49回衆院選(定数465議席)は同日に投票が終了、開票作業が続いている。11月1日の未明にも全ての結果が出揃う。
自民党は単独過半数(233議席)を超える253議席(午前2時時点)を獲得。公明党を加えた与党で絶対安定多数(261議席)を超える283議席を獲得している。絶対安定多数とは、安定的に国会を運営できる議席数で、261議席が必要。
ただ、自民党は閣僚経験者などの大物政治家が落選するなどの波乱含みで、現時点では公示前の276議席より議席数を減らしている。代わりに議席を増やしているのは「日本維新の会」。公示前の11議席の3倍以上となる37議席を獲得している。
国政政党である「日本維新の会」の代表は大阪市長の松井一郎氏、副代表は大阪府知事の吉村洋文氏。大阪府の選挙区では維新勢力が猛威を奮った。
今回の衆院選の結果を受け、岸田文雄氏は首相を続投。IR(統合型リゾート施設)政策にも変わりはないと見られる。
現在IR誘致を目指す大阪府では、IR政策を進めている維新が小選挙区19議席のうち15議席を占め圧勝(残り4議席は公明)、同じくIR誘致を目指す和歌山県では自民2、国民民主が1、長崎県では自民3、国民民主1となった。
先の市長選で野党候補の山中竹春氏が当選し、IR誘致を撤回した横浜市を擁する神奈川県は、菅義偉元首相をはじめ、河野太郎氏、小泉進次郎氏などの閣僚勢が揃う地域。だが、結果は自民11議席、立憲7議席となっており、甘利明氏(自民幹事長)は小選挙区で立憲議員に競り負け落選となった。甘利氏は比例代表で復活当選するも、自民党は現職幹事長の小選挙区での落選という重い結果が残った。来夏に行われる参議院選でも勝利を収めるには、党の体制の立て直しが必要不可欠だ。