大阪市は16日、一般会計の総額で約1兆8,400億円となる2022年度予算案を発表した。前年度に比べ、約118億円の増加となった。
2025年に開催される大阪・関西万博や、現在誘致を目指しているIR(統合型リゾート施設)に向けたインフラ整備の費用なども計上された。
ワクチン接種やPCR検査など新型コロナ関連の経費として、476億円9700万円を計上。
2025年に開催される大阪・関西万博や、現在誘致を進めているIR(統合型リゾート施設)の会場となる夢洲にアクセスする地下鉄や道路の整備費など約272億円(大阪メトロの新駅の改札前広場整備など約117億円、周辺道路の拡幅など約155億円)のうち、58億4700万円を今回の予算案に計上した。
大阪市では、IR予定地の人工島・夢洲の土壌汚染や液状化対策などに市が約790億円を投じるとしており、IR開業までに必要となる整備費の総額は、1年前の想定から倍増となる1929億円にのぼることが明らかになった。
市は当初、IR事業に公費の投入をしないとしてきただけに、市が巨額の費用を投じることについて反発が広がっている。2月10日の市議会本会議では、自民党や共産党の市議団がIR誘致の是非を問う住民投票の実施を訴え、自民党市議団が住民投票条例案を提出した。条例案は、最大会派の大阪維新の会や公明党の市議団の反対で否決された。
大阪IRは初期投資額が約1兆800億円とされており、そのうち約5,300億円を米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスを中心としたコンソーシアムによる出資でまかない、残りの約5,500億円を融資で調達する予定。コンソーシアムには関西電力やパナソニック、近鉄グループホールディングス、NTT西日本などが参加する。
大阪府・市は3月ごろまでに両議会で区域整備計画の同意を取り付け、4月28日までに国に認定の申請をする予定。