大阪府・市は夢洲で誘致を目指しているIR(カジノを含む統合型リゾート)事業開発の設置運営事業予定者にMGM・オリックス コンソーシアムを選定したことを正式に発表した。
28日(火)の発表によると、大阪府市IR事業者選定委員会(以下、選定委員会)はMGM・オリックス コンソーシアムに採点結果として1,000点満点中788.5点を与え、この結果を踏まえて、大阪府・市は統合型リゾートの設置運営事業予定者として適格であると判断した。
選定委員会による審査講評には「現在、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により社会経済や観光関連産業には深刻な影響が生じているが、MGM・オリックス コンソーシアムからの提案は、本事業の趣旨・目的を深く理解している」と述べ、以下のように続けている。
「ポストコロナを見据え、大阪・関西が有する観光魅力や産業・文化資源のポテンシャルを活かした成長型IRの実現により、大阪・関西の経済成長のエンジンとなり、大阪の都市ブランドを国際競争力ある新たな次元に引き上げることをめざす非常に意欲的な提案となっている」。
「今後、大阪府・市や関係者と十分に連携・協調して着実に事業を進め、(中略)夢洲における国際観光拠点形成や大阪ベイエリアの活性化はもとより、大阪IRが、大阪・関西経済の成長や観光産業の底上げに寄与し、もって我が国全体の観光及び経済振興の起爆となることを大いに期待したい」。
MGM・オリックス コンソーシアム採点結果:
審査項目 | 得点 | 配点 |
他を圧倒する独自性を有した優れたコンセプト | 204.0 | 260 |
将来にわたり確実かつ安定して事業を遂行できる実施体制と財務力の強さ | 254.5 | 300 |
ハイクオリティでユニークな国際観光拠点の創出 | 152.5 | 200 |
IRの魅力と持続可能性を支える基盤づくりと地域への貢献 | 76.0 | 10 |
実効性の高い懸念事項対策等の着実な実施、行政との強固な連携 | 101.5 | 140 |
合計 | 788.5 | 1,000 |
MGM・オリックス コンソーシアムが大阪IR事業者公募の唯一の参加者であったことを考えると、今回の決定は既に予想されていた。和歌山が6月にクレアベストを、長崎が8月にカジノオーストリアを選定した後、大阪は事業者を選定する候補地としては3番目で、最後となった。
大阪は今後のスケジュールとして、2021年10月から2022年1月頃までに区域整備計画の作成及び公聴会等の実施、そして基本協定の締結を行い、その後2022年2月から3月頃にかけて区域整備計画の認定の申請に係る大阪府議会及び大阪市会の同意を得ることを目指している。国への区域整備計画認定の申請については、期限である2022年4月28日までに行われる予定。
大阪は2025年の万博開催地で、大阪湾に隣接する390ヘクタールの人工島、夢洲にワールドクラスの統合型リゾートの開発を目指している。
2020年代後半の開業予定で、約1兆800億円の開発予算が見込まれている。MGMリゾーツ・インターナショナルのCEO兼社長ビル・ホーンバックル氏は、初期投資額が25億米ドル(約2,730億円)以下で、2024年から2026年の3年間に渡って行う予定であると言及している。残りの資金調達については、おそらくコンソーシアムのパートナーと債務から構成されると思われる。
「このプログラムは40-40-20の配分で、それぞれ40%を当社とオリックスが、残りの20%を他の日本企業とのコンソーシアムが補うことになる。そうでなければ、(当社とオリックスが)50%ずつ補う」とも、ホーンバックル氏は語っていた。
また、将来的な追加投資も受け入れるとし、「日本と大阪に対して、当社こそが真のパートナーになると約束できる」と述べていた。