任期満了に伴う自民党総裁選挙が9月17日告示された。当日10時から候補者推薦届けの受付が行われ、届け出順に河野太郎・行政改革担当相(58)、岸田文雄・前政調会長(64)、高市早苗・前総務相(60)、野田聖子・幹事長代行(61)の4氏が届け出た。
総裁選挙は党所属国会議員383人による議員投票と、110万を超える党員・党友による党員投票383票の計766票で行われる。29日に議員投票・開票が行われ、新総裁が選出される。
自民党は「新型コロナウイルス感染症の脅威に直面している中、4候補は12日間にわたって、ポストコロナを見据えた日本の国家像や、経済回復に向けた方策、外交、安全保障など、様々な政策論戦を通じて、自民党と日本の未来を力強く示していく」とした。
メディアが実施しているアンケートでは河野氏が一番人気との結果が多々見られるが、インターネット上ではまた違う様相を示している。中でも、Twitterで320万人ほどのフォロワーを持つ有名芸能人が実施しているアンケートでは、現在33万人以上が回答しており、高市氏が60%で断トツ、ついで河野氏が28%、岸田氏8%、野田氏4%となっている。
河野太郎氏は「自民党を変え、政治を変える」と訴え、自民党改革を前面に押し出している。「企業は利益を上げることができたが、賃金まで波及しなかった」として、安倍晋三元首相が実行してきた経済政策「アベノミクス」の修正を提起している。
岸田文雄氏は「新自由主義からの転換」を訴える。「令和版 所得倍増計画」を掲げ、「アベノミクス」で広がったとする格差を、中間層への再分配により是正する考えを示した。
高市早苗氏は、国民からの人気が高い安倍晋三・元首相からの支持を取り付けている。彼女の保守的な思想傾向や対中強硬姿勢や、金融緩和や財政出動及び、成長投資などを柱とする「アベノミクス」を継承した「サナエノミクス」を強調するなど、安倍氏に近い存在をアピールしている。
野田聖子氏は、女性政策や少子化対策を柱に据えたほか、女性や高齢者、障害者、LGBTQが活躍できる多様性に富む社会の構築を訴える。また、環境問題では、カーボンニュートラル実現を目指し、再生可能エネルギーの供給を拡大するとした。
衆議院は10月から11月にかけて、任期満了に伴う解散総選挙を控えており、政権与党の自民党では、世論の後押しがあり選挙の顔として戦える総裁が求められるところだ。