マカオのゲーミングコンセッション保有者であるサンズ・チャイナは、マカオ-中国本土間の国境規制強化により、8月の純損失が1億2,500万米ドル(約137.6億円)、調整後EBITDA損失は1,400万米ドル(約15.4億円)に落ち込んだと述べた。
新型コロナパンデミックがサンズ・チャイナの最近の事業に与える影響を概説した投資家への開示で、同社の純売上高が7月の2億6,500万米(約291.8億円)ドルから、8月には1億4,800米ドル(約162.9億円)に減少し、純損失が6,300万米ドル(約69.3億円)から1億2,500万米ドルに(約137.6億円)拡大したことを明らかにした。
8月の調整後EBITDAは、7月にプラスだった調整後EBITDAの4,400万米ドル(約48.4億円)から1,400万米ドル(約15.4億円)へ減少した。
同社が言及したように、この期間には、広東省からの訪問客を対象に48時間(2日間)以内に発行された新型コロナウイルス感染症テストの陰性結果証明の提出を義務付けられるなどの厳しい国境制限が敷かれた2021年7月末から8月の大部分の期間が含まれている。 加えて8月末に、それまで陰性証明書の有効発行日を48時間(2日間)から12時間(半日)とし、後に7日間以内へ制限緩和をした短い期間も含まれる。
サンズ・チャイナは、2020年の7月と8月の合計の純損失が3億4,000万米ドル(約374.4億円)、調整後EBITDA損失が1億6,200米ドル(約178.4億円)の損失と続く落ち着いた結果であったにもかかわらず、
25億6000万米ドル(約2819億円)の強力な流動性ポジションを維持していると述べた。このポジションは、現金及び現金等価物の5億5,600万米ドル(約612.3億円)と、リボルビング信用枠内で利用可能な20億米ドル(約2202億円)の借入能力から構成されているとし、以下のように言及した。「SCLは、継続的な運用をサポートし、進行中の主要な建設プロジェクトを完了し、現在の新型コロナパンデミックの課題に対応できると確信している。
同社は、現在の環境を管理するためにさまざまな緩和策を講じてきた。これには、不要な項目に対する現金流出を最小限に抑えるためのコストと設備投資の削減プログラムが含まれている」。
現在の入境状況について、サンズ・チャイナは以下のように述べている。「より多くの訪問客がマカオに旅行出来るようになり、SCLの施設に多くのお客様が戻ってくることを心待ちにし続けている。今までにSCLを訪れたことのあるお客様から需要は引き続き堅調である。しかし、パンデミックに関連した入境制限やマカオと中国本土での新型コロナの状況変化は、訪問を制限し続け、SCLの現在の財務実績を妨げている。
新型コロナパンデミックは、SCLの施設への訪問者数に重大な悪影響を及ぼし、SCLの運営を混乱させた。また、SCLは、新型コロナ感染拡大が封じ込められるまで、この悪影響が続くだろうと予想する」。