8月22日、過去最多の8人が立候補した横浜市長選挙は、立憲民主党が推薦し、共産党と社民党か支援した元横浜市立大学教授の山中竹春氏が初当選となった。元国家公安委員長の小此木八郎氏や現職の林文子氏は山中氏に及ばなかった。
IR誘致反対を掲げて出馬していた山中氏は会見の中で「カジノを含むIRの誘致に関しては行わないという宣言を横浜市として早期に出す」と述べた。
山中氏と同じくIR誘致反対を訴えていた小此木氏は「市長になったら(IR誘致反対を)ひっくり返すのではないかと疑念や不安をもたれた方が少なくないと感じた。説明不足、力不足を感じた」と敗戦の弁を述べた。
林文子氏は「2年前にIR誘致を表明してから反対の嵐の中で生きてきたようだった」と振り返る。しかし「選挙戦の中、市民と話すとIRに賛成する方が大勢おり、2年間ずっと言われ続けたことが全く消えた。強い感動を感じている」と続けた。知事自身がコロナ禍で市民と対面する機会も少なくなっていた状況もあり、「IR誘致に賛成している人がそれを表明するような状況ではなく、機会もなかったのだろう」と思いを語った。
一方、横浜市と同じくIR誘致を進めている大阪府・市では8月23日、吉村洋文大阪知事の囲み会見の中で「横浜市の市長選の結果をIR誘致をする立場としてどう受け止めるか、大阪のIR誘致に影響を与えるか」と記者から問われる一幕も。
吉村知事は「横浜の市長選挙の結果であって、これが大阪のIR誘致に大きな影響を与えるものではないと思っている。今回の横浜市長選挙はコロナ対策が中心になっているのではないか、首都圏でコロナが急拡大する中、コロナの専門家であった山中さんが市民の信任を得たのではないか」と述べ、大阪IRについては「依存症などを心配される方も多いが、課題を何とか克服していきたい。プラスの面も非常に大きいので、きちんと説明しながら進めていく。やはり丁寧に進めていくことが大事」と強調した。