9月までにニューノーマル(新しい生活様式)に移行し、観光客に国境を開放するというシンガポールの計画は、香港との待望のトラベルバブルをさらに遅らせる可能性がある。
香港のキャリー・ラム行政長官は7月6日(火)の記者会見で、シンガポールは海外旅行再開に向けて香港の「優先候補者」であることに変わりはないと述べたが、そのような合意がいつ開始されるか尋ねられた際にはためらいを見せた。
同氏は以下のように述べている。「我々は新しい対策と、我々が考案した取り決めにその対策が何らかの影響を与えるかどうかについて慎重に検討する必要がある。状況としては双方ともに非常に落ち着いているので、我々は引き続き緊密な連携のもとに取り組んでいく。」
香港とシンガポールは当初、2020年11月22日にトラベルバブルを開始する予定であり、最初に毎日最大200人の乗客を乗せたチャーター便1便を運航させ、12月7日からは1日2便に増便する計画であった。しかし香港での新型コロナの新規感染者症例数増加によりその計画は延期となり、その後、シンガポールでの症例数の増加に伴い2021年5月に再び延期となった。
症例数は現在、双方ともに一桁台前半であるが、優れたワクチン接種計画(政府は8月9日までに人口の3分の2が完全なワクチン接種を受けることを目標としている)を実施しているシンガポールでは、台湾との国境開放を最初に計画しており、9月にはオーストラリア、中国、ニュージーランドに開放する計画であると発表している。当局はまた、毎日の新型コロナ新規感染者症例の更新中止を計画している。
これは、人口の約22%しかワクチン接種を受けていない香港とは対照的である。
ラム行政長官は、以下のように述べている。
「今やシンガポールのワクチン接種率も非常に高くなっているが、以前の合意に加えて考慮すべきもう1つの点は、飛行機利用のトラベルバブルに参加する条件として、双方がワクチン接種を条件とするかどうかである。
しかし、香港と他の場所との二国間の基準に沿った旅行を促進する上で、シンガポールは依然として我々の最優先の候補国であると言える。」
マカオ当局がワクチン接種済みの香港からの旅行者はホテルでの隔離期間を経ずにマカオへの入境を可能にする「青色健康コード」システムの計画を明らかにした後、香港-マカオ間のトラベルバブルの合意が今後数週間で開始されることも期待されている 。
マカオの仁伯爵総合病院(Conde de São Januário Hospital)のメディカルディレクター・戴華浩(Tai Wa Hou)氏は今週、香港での起こり得る新型コロナの地域感染の不確実性ゆえ、開始日を決定するには更に多くの時間が必要であると述べた。
一方、香港当局はその後、指定検疫ホテルの清掃員を含む一件については輸入型として分類している。そのため、香港は現地で確認された新型コロナの新規症例無しの日が28日となった。
マカオ当局は以前、香港との入境再開を検討できる基準は28日と説明している。