IR(カジノを含む統合型リゾート施設)事業を巡る汚職事件で、収賄罪などに問われた衆院議員、秋元司被告(49)の公判が6日と7日、東京地裁であり、贈賄側の中国企業500ドットコム社(以下500社)に招かれ、中国・深センとマカオへの旅行に同行した白須賀貴樹衆院議員と勝沼栄明元衆院議員が証言した。日本経済新聞などが伝えた。
勝沼元議員は2017年12月、秋元議員に誘われ旅行に参加したと説明。「移動にプライベートジェットを使うなど莫大な費用がかかっていて、企業側が負担したのだと思った」と述べた。白須賀議員は、マカオのカジノで500社からチップを受け取ったことや、高級ブランド店で秋元議員が買い物をした際、500社側が支払ったことなどを証言した。
当時、IRを担当する内閣府副大臣だった衆議院議員の秋元被告は、2017年と2018年に、500社の元顧問らから総額760万円相当の賄賂の提供を受けたとして収賄の罪に問われているほか、贈賄側に裁判での偽証を働きかけたとして証人買収の罪に問われている。
秋元被告は、3月に東京地方裁判所で開かれた初公判では「中国企業の関係者と面会した事実はなく、現金は受け取っていない」などと述べており、逮捕されてから一貫して無罪を主張しているが、贈賄側4人と、証人買収事件で秋元議員の共犯とされた4人はいずれも起訴内容を認め、一審で有罪判決を受けている。
秋元司被告の弁護人は7日、東京地裁に4度目となる保釈を請求している。