ラスベガス・サンズの会長兼CEOロブ・ゴールドスタイン氏は、中国のデジタル人民元がマカオで法定通貨になる可能性を受け、これが新たな流動性の確保という点で、特別行政区のゲーミング事業者にとってプラスになると考えている。
デジタル人民元がマカオに与える影響については、木曜日(アジア時間)に行われた同社の第1四半期収支報告の際、賀一誠マカオ行政長官が今月初めに、政府がデジタル人民元導入を可能にするべく金融法の改正を計画していると明らかにしたことに言及。
デジタル通貨がマカオのカジノ事業者にどのような影響を与えるかについては、デジタル通貨が追跡可能であり、お金がどこでどのように使われたかを北京がよりよく追跡できるという点で、議論の余地がある。また、地下銀行が利用できなくなることで、ジャンケットにも打撃を与えると考えられる。
しかし、サンズ・チャイナの会長兼CEOであるゴールドスタイン氏は、デジタル人民元はむしろ、事業者の顧客基盤拡大に役立つと述べている。
「懸念もあるだろうが、我々はそうは思わず、市場に新たな流動性をもたらすものだと考えている」と、同氏は木曜日の収支報告でアナリストに語った。
「これをポジティブに捉えている。国境を越えた通貨がもっと増えてほしい。これも通貨のひとつの形であり、我々のビジネスは、マネーロンダリングや必然的に目立つジャンケットの上に成り立っているわけではないので、ただ心配するのは良いことではない」。
「当社の得意分野であるマスやプレミアムマスの顧客に焦点を当てていきたい。それが我々であり、将来的な達成目標であり、それに基づき成長し続けるビジネスを構築できるのだ」。
「訪問客数を増やし、中国での普及率を高め、ギャンブルやマカオを体験してもらえる方法を増やしたい」。
「デジタル人民元は、さらなる付加価値で、ポジティブなことだと思う。一般的には混乱を招くと考えられるだろうが、そう考えてほしくない」。
「差し迫った懸念でも、長期的な懸念でもない。マカオ市場がより伝統的になり、中国に溶け込み、消費者に優しくなるため、非常にプラスとなるだろう。もちろん、我々にとっても非常にプラスになるはずだ」。