香港に上場するナガコープによると、カンボジアの統合型リゾート、ナガワールドのマスゲーミング事業の業績は、新型コロナウイルスの発生で営業停止を余儀なくされる前の状況に2021年初頭でほぼ完全に回復した。
同社は木曜日に第1四半期の事業報告を行い、今年初頭に1日あたりの平均バイインがマステーブルゲームでは374万米ドル(約4億1,400万円)、EGMでは544万米ドル(約6億円)に達し、それぞれ前年同期比の99.4%および98.5%となったことを明らかにした。
該当期間は1月1日から2月20日まで。カンボジアでは2月20日に、4名の中国人が賄賂を使って宿泊隔離施設を抜け出し、一連のナイトクラブを訪れた出来事があった。そのうち2名から新型コロナウイルスの陽性反応が出たことがきっかけとなり、その後6週間で約2,000人の新規陽性者が発生した。
ナガワールドは、11名のスタッフが集団検査で陽性反応を示したため、3月1日に営業を停止した。
ナガコープは木曜日、この2月20日の出来事前のマステーブルおよびEGMの1日あたりの平均バイインも、2020年下半期に比べてそれぞれ5.2%と3.6%増加しており、「緩やかな成長傾向が観測されたことを反映している」と述べた。
「マスマーケット分野の取引量の回復は、適度な規模の外国人コミュニティと、エンターテイメントを求めてナガワールドを訪れる東アジア(主に中国、韓国、台湾)からの訪問者が大きく貢献している」と、ナガコープはコメント。
「ナガワールドは、その魅力的で高水準の施設が市内中心部の戦略的な場所にあり、設立以来、カンボジア・プノンペンにおけるレジャーやエンターテイメント活動の中心となっている。地域間の移動規制や国際線の大幅な減便にもかかわらず、当グループのマスマーケット分野は安定している」。
VIPロールはそれほど好調ではなく、1日平均5,660万米ドル(約62億6,000万円)と、20年第1四半期の53.1%にとどまったが、ゲーミング粗収益(以下、GGR)の大部分を占めている。ナガワールドは、2021年3月31日までの3ヶ月間で1億2730万米ドル(約140億8,000万円)のGGRを報告しており、その内訳はVIPが8050万米ドル(約89億円)、マステーブルが2970万米ドル(約32億8,000万円)、EGMが1710万米ドル(約19億円)となっている。