ラスベガス・サンズ(LVS)のシェルドン・アデルソン会長兼CEOが、がん治療の再開後、自身が創業した同社を休職している。
木曜の発表によると、アデルソン氏が不在の間、LVSのロバート・ゴールドスタイン社長兼最高執行責任者のロバート・ゴールドスタイン氏が、LVSおよびサンズ・チャイナ両社の会長兼CEO代理を務める。また、同氏はサンズ・チャイナの執行役員にも任命されており、同じく、最高執行責任者であるグラント・チャム氏も執行役員に就任している。アデルソン氏は、2021年1月7日付でサンズチャイナの非執行役員にのみ名が記載されている。
アデルソン氏の今回の病欠期間に関しては明記されていなかった。
87歳の同氏の休職はこの2年間で2度目で、2019年3月に非ホジキンリンパ腫の診断を受けたことが明かされてから治療のために職を離れていた。
LVSの広報担当、ロン・リーズ氏は当時、「アデルソン氏は、非ホジキンリンパ腫の治療のために服用している薬の特定の副作用とまだ闘っている。副作用によって出張や、または通常の勤務時間を維持する能力が制限されている」と述べていた。
アデルソン氏が復職したのは2019年10月だった。
同社の発表直後に出したリサーチレポートの中で、JPモルガンのアナリスト、DS・キム氏とデレク・チョイ氏は、アデルソン氏の不在がサンズ・チャイナの日々の業務に大きな影響を与えるとは予想していないとし、以下のように書いている。
「これまで(ウィルフレッド)ウォン氏やチャム氏などの現地経営陣が運営を行なってきたその業務において何か変化があるとは考えていない。
また、今回の任命によって同グループの戦略的な方向性が変わる可能性も低い。というのも、我々はずっとゴールドスタイン氏を『次のトップ』として見ており、LVSでの約25年の中で多くの幹部職を務め、投資家、カジノ仲間、従業員、そして、重要なことに、アデルソン一族から広く高い評価を受けている。
サンズの政府(マカオおよび中国)との関係への影響については議論の余地があるかもしれないが、我々は、スティーブ・ウィン氏の辞任や、スタンレー・ホー博士の逝去から大きな影響が見られなかったのと同じように、市場での同社の立ち位置に関してはマイナスの影響があるとは見ていない」