IR(統合型リゾート施設)を巡る汚職事件で、秋元司・衆院議員(48)(収賄罪などで起訴)への贈賄罪などに問われた中国のオンラインくじやスポーツくじ販売企業「500.com」(本社:深セン市)元顧問・紺野昌彦(49)、同・仲里勝憲(48)両被告の判決が12日、東京地裁であった。丹羽敏彦裁判長は「多額の金銭を提供し、露骨な接待を行った」と述べ、「IR事業の職務の公正や社会一般の信頼を大きく損なった」として、紺野被告に懲役2年、執行猶予3年(求刑・懲役2年)、仲里被告に懲役1年10月、執行猶予3年(同・懲役1年10月)を言い渡した。
判決によると、両被告は2017年9月~18年2月、当時、IR担当副大臣だった秋元被告に対し、議員会館で現金300万円を渡すなど総額約760万円相当の賄賂を提供した。紺野被告については、香港から計1,500万円を無届けで日本に持ち込んだとする外為法違反の事実も認定された。
検察側は、「IR事業に対する社会の信頼を著しく失墜させており、厳正に対処する必要がある」と主張していたが、両被告の弁護側は「同社のIR参入が実現していなく、贈賄による実害はない」と強調し、執行猶予付きの判決を求めていた。なお、無罪を主張している秋元被告の公判期日は未定。