投資銀行のクレディ・スイスによると、中国本土の当局による協調したギャンブルへの規制管理の強化によって、マカオゲーミング事業者のVIP主導型回復という予想は裏切られることが確実視されており、ベースマスがその大きな仕事を担うことになりそうだ。
マカオの新型コロナウイルス後の短期展望を分析した月曜のレポートの中で、アナリストのケネス・フォン氏、ロク・カン・チャン氏、レベッカ・ロー氏は、マカオのゲーミング市場に迫りくる多くの主要因子があり、VIPセグメントは深刻な圧力にさらされていると説明した。
ゲーミング株が強気の投資家感情を反映しているにもかかわらず、クレディ・スイスは、VIPシステムにかけられている「構造的な圧力」によってマカオの回復には予想よりも長くかかる可能性があると見ている。
同アナリストたちは「我々はVIPシステムが今後数年間に大幅にスケールダウンし、回復のペースを妨げると見ている」と述べ、GGRの減少はコンセンサス予想の30%に対して20年第4四半期には前年比77%になると予想した。
また、マカオのゲーミング粗収益は、ギャンブルに関連する越境通貨移動に対する中国の直近の取り締まりからマイナスの影響を受け、2022年を通じて2019年の水準よりも9%低い状態にとどまると予想している。
彼らは、「中央政府が汚職をターゲットにしていた2010-14年とは異なり、今回北京周辺はギャンブル活動をターゲットにしている。
これは、ビッグプレイヤー需要に打撃を与え、ジャンケットの債務回収に影響を及ぼし、ビッグプレイヤーたちの資金調達チャンネルを阻害する。中国の国務院新聞弁公室(State Council Information Office)によると、2022年までの3年間のキャンペーンになり得るという」と述べた。
その一方で、フォン氏、チャン氏、そしてロー氏は、マカオの事業者達が収益を徐々に取り戻すには、VIPまたはプレミアムマスではなく、低ステークスのグラインドマスに焦点を当てる以外の選択肢はないと指摘する。
彼らは、「健全なVIPジャンケットシステムがなければ、カジノはプレミアムマスプレイヤーを増やす主要供給元の一つを失うことになるだろう。というのも、それらのプレイヤーたちは、資金移動の主要チャンネルの一つを失ったからだ(彼らのギャンブル資金の約30%がVIPシステムを経由している)。
支出金額で有意義な増加を見込むことのできないベースマス主導型の回復は、カジノの収益性を低下させ、そして新たなカジノの追加(2021年に3つの新プロジェクト)は、市場がその数の増加を吸収するのにより長い時間がかかるだろう」と述べた。