ゲンティングループの創始者リム・コック・タイ(林国泰)氏の息子、リム・ケオン・ホイ(林拱輝)氏が今週に入ってゲンティン香港からZoukブランドを買い取ったものの、Zoukグループは様々なゲンティンのプロジェクトで今後も提携を続けていく。
同ブランドが購入されたほんの数日前、リム氏は問題を抱えるクルーズ船事業者ゲンティン香港の副CEO兼執行役員を辞任しており、木曜ゲンティン香港のアンドリュー・リ副社長が同氏とともにゲンティン香港を離れ、ZoukグループCEOとしての役職に集中することが明かされた。
しかしながら、ザ・ストレーツ・タイムズのリ氏へのインタビューによると、リム氏のZouk購入の決断は、両ブランドを助けることが狙いで、ゲンティンの跡継ぎである35歳のリム氏は世界で17店舗を展開するZoukの拡大を目指しているという。その店舗には、クルーズ船ゲンティンドリーム号とワールドドリーム号船内にある『Zouk at Sea』の日中クラブ2店、そしてマレーシアのリゾーツ ワールド ゲンティンにある『Empire Club』などが含まれる。
リ氏は、ザ・ストレーツ・タイムズに対して、「ゲンティン香港がパンデミック中に直面している困難を考えると、中核資産ではないZoukを切り離し、同ブランドを継続して構築することがより理にかなっていると考えた。
このグローバルライフスタイルプラットフォームを構築するというのは常に我々のビジョンにあったし、ここ4年間は大きく前進してきた」と語った。
当初シンガポールでたった1軒のナイトクラブであったZoukは、2015年に息子の方のリム氏の働き掛けによってゲンティン香港が購入し、それ以来多様なライフスタイルグループへと成長してきた。現在、17の店舗にはナイトクラブや日中のラウンジだけでなくレストランやバーガーバーなどが含まれるまでになっている。
シンガポール国立大学(NUS)経営学大学院のローレンス・ロー教授は、ザ・ストレーツ・タイムズに、Zoukを、(先週上半期の損失が7.43億米ドルであったことを報告し全ての債務返済を停止した)ゲンティン香港から切り離すことは、全ての関係者にとって良い知らせだったと述べた。
教授は、「Zouk売却が巨額の債務問題を解決することはできないものの、その調達資金によってゲンティン香港は運転資金に関して持ちこたえられる時間を稼ぐことなる。 そしてゲンティンの傘下から出たことで、Zoukはまだ可能性のある債権者による措置など、債務再編から切り離されて守られることになる」と述べた。