ベトナム財務省が、カジノ事業に関する政令第03/2017号の特定の条項の改正を提言する報告書を公開した。
同セクターにおいて重大な損失が発生する中で事業者や投資家への負担を軽減することを目的とした今回の改正には、カジノおよび統合型リゾート投資家に対して、ライセンス付与が可能となる前に、投資総額の少なくとも5割を支払うことを求める要件の排除などが含まれる。財務省によると、そのような要件は、インフラが不足し、投資家がインフラ改善に追加資金を注入する必要がある可能性もあるような地方で開発される計画に関してはふさわしくないという。
現地メディアのVietnamNetはまた、同省が広告への規制も緩和する事を伝えている。事業者に現在認められているのは、カジノ入口での広告のみだが、これがそのプロジェクトが位置する地方内であればどこでも広告が出せるようできるよう範囲が拡大される予定で、海外からの旅行者にビジネスを紹介する機会がより多くなる。
最低20億米ドルという投資額要件は変わらず残る。
一部条項の緩和は、フーコック島にあるコロナリゾート&カジノが2019年に2兆5,290億ドン(約120億円)の赤字に苦しんだことを示す同省の報告書に含まれていた情報を裏付けている。同リゾートは、3年間の社会実験の下で、国民のギャンブルの許可が与えられた2軒のカジノのうち最初にオープンしたもの。コロナリゾートは2019年1月にオープンし、その1年で10万5千人の来場者を迎え、そのうちの45%にあたる4万7,400人がベトナム人だった。同リゾートは1兆4,330億ドン(約66億円)の収益を生み出し、そのうちの1兆3,810億ドン(約63億円)がカジノからのものだった。
ベトナムで国民の入場が許可された2軒目のカジノは、クアンニン省ヴァンドン県農村部に位置しており、まだオープンしていない。
財務相は、ベトナムにある8つの認可カジノ全体でのカジノ収益は2019年に2兆5,000億ドン(約110億円)に達し、2017年の1兆1,900億ドン(約55億円)からは2倍以上、そして2018年の1兆5,600億ドン(約72億円)からも増加していると述べた。