クラウン・リゾーツの旗艦施設であるメルボルンのカジノが間もなく再開するかもしれないという希望が大きく打ち砕かれている。ビクトリア州政府が火曜、今後6週間、再びステージ3のロックダウンに入ることを発表した。
豪南部にある同州では、基本的な安全手順に深刻な欠陥があった疑いがあり、それによってメルボルンの隔離ホテルで感染が広がり、大きな議論を呼んでいる。これがきっかけとなり同州では新型コロナウイルスの第2波が発生し、今回の新たなロックダウンが行われる。
また、オーストラリアの他の場所とも大きく状況が異なっており、他の州ではビジネスはほぼ再開し、新型コロナウイルス新規感染者数は一桁台前半にまで急減している。
ビクトリア州が、1カ月前の新規感染者数たった2人に対して、過去24時間に191人を記録したことを受けて、火曜、州政府はメルボルンと複数の地方都市が今後6週間、ステージ3のロックダウンに戻ることを発表した。今回のロックダウンでは、小売店の営業については密度制限を設けての継続が認められる予定ではあるものの、住民は外出自粛を求められ、外出が許可されるのは仕事、食事、運動または医療目的のみとなる。
3月23日から休業しているクラウン・メルボルンはまだ営業を再開しておらず、しばらくは休業を続けることになりそうだ。
クラウン・リゾーツは、短い声明文を出し、「今日午後、ビクトリア州政府は、メルボルン首都圏全域でステージ3の外出制限を再導入すると発表した。クラウンは従業員、ゲストそしてコミュニティの健康と安全を第一に考えている」とだけ述べた。
オーストラリアにあるクラウンの別のカジノ、クラウン・パースは6月27日に営業を再開し、スター・エンターテインメント・グループは、先週、一般向けにシドニー、ブリスベンそしてゴールドコーストにある施設をオープンした。
クラウンは最近、新型コロナウイルスを乗り切る助けとするために追加の融資枠で10億豪ドル(約749億円)以上を確保した。その中には、取引銀行とのバイラテラル方式(相対型)の新規融資枠での5.6億豪ドル、そして現在建設が進む22億豪ドルのクラウン・シドニー(2021年オープン予定)計画を支えるためのプロジェクト・ファイナンス方式融資枠での4.5億豪ドルが含まれている。