オーストラリアのクラウン・リゾーツでは、新型コロナウイルスによるメルボルンとパースのカジノ営業停止を乗り切ろうとする中、追加の融資枠で10億豪ドル(約679.22億円)以上を確保した。
クラウンは、木曜のマーケットアップデートの中で、追加の資金調達には、取引銀行とのバイラテラル方式(相対型)の新規融資枠で5.6億豪ドル、そして現在建設が進22億豪ドルのクラウン・シドニー(2021年オープン予定)計画を支えるためのプロジェクト・ファイナンス方式の融資枠での4.5億豪ドルが含まれていると述べた。
同社は、すでにおよそ5億豪ドルの手元資金があったことも付け加えた。
オーストラリアン・ファイナンシャル・レヴューとのインタビューの中で、クラウンのケン・バートンCEOは、「明らかにほぼ全く売上がない期間をしばらく乗り切っていかなければならないが、当社のバランスシートは非常にクリーンな状態だった。
それは、何が起こるかに関わらず、当社がかなりの期間存続できることを意味している。誰がどんなシナリオを投げつけてこようとも、我々は乗り切ることができると確信している」と述べた。
クラウンは木曜、3月下旬に実施されたオーストラリア全土での生活に必要不可欠ではないサービスの営業停止以来、労働力の95%にあたる1万1,500人以上を一時帰休させていることも明かした。同社は、経営陣を除いて、一時帰休となった正社員およびパート従業員全員に2週間分の給与の一時金を支給することに同意し、非正規労働者には1,000豪ドルの一時金を支給する。
バートン氏自身も、他の経営陣と並んで、確定報酬の20%の削減に合意し、取締役は役員報酬の20%をカットする。
その結果、クラウンは基本的な営業現金費用が1月あたり2,000万豪ドルから3,000万豪ドルの間に減ったと述べた。
シドニー計画のための4.5億豪ドルのプロジェクト・ファイナンス型融資枠について、クラウンは「計画通りクラウン・シドニーの建設を継続するつもりだ。そして新型コロナウイルスの影響 によるさらなる遅延がない限り、クラウン・シドニー・ホテル・リゾートは年末までの完成に向けて現在も順調に進んでいる。計画費用に変更はなく、計画総費用はおよそ22億ドル、そして計画正味費用はおよろ16億ドルになると予想している」と述べた。