NSW(ニューサウスウェールズ州)独立酒類・ゲーミング局(ILGA)が、新型コロナウイルス感染症によって3カ月近く先延ばしになっていた豪カジノ事業者、クラウンリゾーツへの公開調査を直ちに再開する予定であることを明かした。しかしながら、メルコが最近全持ち株を売却したことを受けて、調査の焦点は、2019年5月に行われたマカオのメルコリゾーツ&エンターテインメントによるクラウン株9.99%の取得から、クラウンがNSWのカジノライセンスを保有するための適性に移ることになる。
水曜の発表の中で、ILGAは、新型コロナウイルスによる制限が緩和されたために、「カジノ調査の全ての作業を直ちに再開する」ことを決定したが、「メルコリゾーツのクラウンリゾーツ株の所有状況に変更があったために、調査の評価事項(Terms of Reference)がアップデートされた」と述べた。
昨年、特定のオーストラリアメディアが、クラウンがマネーロンダリングに関与し、賭博法に違反、そして薬物の密売人、資金洗浄者、そして人身売買者および組織犯罪集団とつながりを持つジャンケット事業者と提携していたという衝撃的な疑惑を報じたことで、今回の調査では、2021年初頭に開業予定の22億豪ドル(約1,627億円)をかけたバランガルーのクラウン・シドニー開発を運営するための適正がクラウンにあるかどうかの評価に焦点が当てられることになる。
ILGAによると、担当調査官は、その他の関連する問題の中でも特に、クラウンがまだシドニーにある同カジノのライセンスの保有に適しているかどうか、そしてメルコへの元々の株式売却がその条件付きのゲーミングライセンスに違反していなかったかどうかを調査・報告する。
以前にInside Asian Gamingが伝えた通り、クラウンリゾーツとNSWカジノ・酒類・ゲーミング局との間の2014年の合意は、メルコのローレンス・ホー会長兼CEOの父親で、マカオのカジノ業界を築き上げたことで有名なスタンレー・ホー(何鴻燊)博士との関わりを明確に禁じている。ホー博士は先月98歳で死去した。