多くの問題を抱えるカジノ事業者のインペリアル・パシフィック・インターナショナル(IPI)は、元請負業者のパシフィック・リムに対し565万米ドル(約6億900万円)の支払いを命じる判決に従わなければならないのであれば、資金不足によってサイパンにあるインペリアルパレス・サイパンを永久的に閉鎖せざるを得なくなると警告した。
IPIは、連邦裁判所が、同社がインペリアルパレス・サイパンで行われた工事代金565万米ドルの支払いを約束した手形(Promissory note)に違反したという判決を下したことを受けて、4月下旬にアメリカ合衆国第9巡回区控訴裁判所に控訴した。IPIはパシフィック・リムがその工事費を水増ししてきたと考えている。
金曜、IPIの弁護人は、合衆国北マリアナ諸島地方裁判所に、控訴審の判決が出るまでの間訴訟手続きを保留するよう求め、それまでに支払いを強制された場合同社は閉鎖を余儀なくされる可能性があると警告する申し立てを提出した。
地元紙のサイパントリビューンは、弁護人の以下の発言を引用した。「控訴審を待つ間にその判決が法的拘束力を持つようになった場合、IPIはそれを支払うことはできず、そして永久に閉鎖しなければならない可能性が高いだろう」
ここ最近、IPIの不安定な財務状態がますますはっきりと見えるようになっており、特に先週火曜、北マリアナ連邦公共設備企業体(Commonwealth Utilities Corp)が料金の滞納によってインペリアルパレス・サイパンと同社本社の電気を止めたことで、さらにそれが明確になった。日曜時点で、電気はまだ復活していなかった。
IPIはまた、昨年9月の年間カジノライセンス料1,500万米ドル全額の支払いの際も15日間遅れた。
サイパントリビューンは昨夜、IPIがまだ直近2カ月の給与を一部しか支払っておらず、資金不足によって次の給与支払いができない危機に瀕していることを明かした。
金曜、弁護人は、IPIの1,066人の従業員への給与支払いは、その決定にかかっていると述べ、「訴訟停止を行わないことは、IPIの現在の財政難をさらに悪化させるだけだ。
IPIをさらなる財政難のリスクにさらすだけでなく、サイパンの人々を、解雇、無一文、食料および住居不足、そして犯罪や暴力の増加リスクにさらすことにもなる」と語った。
IPIは先月、2019年に損失が39億4,000万香港ドル(約547億円)に上り、収益はたった5億3,900万香港ドル(約75億円)へと83.4%も減少したことを報告していた。