サンズ・チャイナは、新型コロナウイルスの影響を受けて、マカオでの収益が65.1%減少したことで、19年第1四半期の5億5,700万米ドル(約599億9,890万円)の純利益から2020年3月31日までの3カ月間は1億6,600万米ドルの損失へと転落した。
マカオ時間の今朝行われた親会社のラスベガス・サンズ(LVS)の第1四半期業績発表の中で、シェルドン・アデルソン会長兼CEOは、「新型コロナウイルス感染症の世界的流行が当社のビジネスに与えた影響は未曽有のものであり、私の70年以上のビジネス経験においてこのような事は見たことがない。
この困難の時に当社が最も重要視していることは、当社で働く仲間を支えること、そしてマカオ、シンガポール、そしてラスベガスというそれぞれの地元コミュニティで支援を必要とする人を助けることに対する深く強い決意であることに変わりはない。
このような状況にもかかわらず、当社の強固なバランスシートによって、我々は、将来の楽しみな全ての成長の機会に一切影響を受けることなく、このパンデミックから立ち上がることができるだろう」と述べた。
ザ・ベネチアン・マカオ、ザ・パリジャン・マカオ、サンズコタイセントラル、ザ・プラザマカオおよびフォーシーズンズ、サンズ・マカオそしてフェリー事業で構成されるLVSのマカオ事業からの純収益は1年前の23.3億米ドルに対して今回は8億1,400万米ドルだった。
全ての施設が2月に実施されたマカオの全ホテルの15日間営業停止と過去に例を見ない旅客数の少なさによる損害を被っており、ザ・ベネチアン・マカオではそのカジノ収益は2億5,100万米ドルへと66.1%減少し、特にローリングチップ取扱高が22.7億米ドルへと69.7%の減少、そしてローリングチップ以外が8億1,700万米ドルへと63.9%の減少となったことが大きかった。調整後の施設EBITDAは86.4%も減少し4,900万米ドルに落ち込んだ。
ザ・パリジャン・マカオでは、ローリングチップ取扱高の51.7%減とローリングチップ以外での65.8%減によってカジノ収益は1億1,500万米ドルへと70.3%減少し、調整後施設EBITDAを前年比101.8%減となる300万米ドルの損失へと押し下げた。
カジノ収益は、サンズコタイセントラルで72.4%減の2,300万米ドル、ザ・プラザマカオおよびフォーシーズンズで52.0%減の8,300万米ドル、そしてサンズ・マカオで54.0%減の6,400万米ドルとなった。
ラスベガス・サンズのシンガポールの旗艦施設、マリーナベイ・サンズも、新型コロナウイルス対策のための制限実施時期が遅かったことでマカオよりは程度は低いものの、厳しい影響を受けており、純収益は20.2%減の6億1,200万米ドルとなった。カジノ収益は19.3%減の4億3,900万米ドルで、ローリングチップ取扱高は6.9%減の66.3億米ドル、ローリングチップ以外は19.8%減の10.8億米ドルに落ち込んだ。
LVSのグループ全体の収益は17.8億米ドルへと51.1%減少し、19年第1四半期の7億4,400万米ドルの純利益に対して、20年第1四半期は5,100万米ドルの損失となった。調整後連結施設EBITDAは69.9%減の4億3,700万米ドルだった。