MGMチャイナのCEO兼エグゼクティブディレクター、グラント・ボウイ氏によると、マカオのゲーミング事業者たちは、再閉鎖という最悪のシナリオを回避したいのであれば、今後数か月間に可能性のある様々な回復シナリオをゲーミングフロアに適用する備えをしておかなければならない。
ボウイ氏は、MGMが、新型コロナウイルス後のマカオの回復のための複数のシナリオを作ったことを明かし、営業が元に戻り始めてからの顧客の期待は、非常に異なるものになる可能性が高いが、期待に沿う対応を提供できるかどうかは事業者次第だと警告した。
IAGのオンラインイノベーションプラットフォーム、GAMEの初回イベントに特別ゲストとして登場したボウイ氏は、「社会的距離の問題、信頼全般の問題が非常に重要になるだろう」と述べた。
「人々が自由に移動できるように、そして信頼とともにマカオへと戻ってきてもらえるようにしなければならない。その後顧客と再びつながる必要がある。中には、行動や習慣を変えた可能性がある人もいる。
我々全員にとって興味深い時間ではあるが、その問題全体が非常にシンプルな言葉に集約できる。信頼だ。安全に関する問題、個人的な視点で見た顧客からの信頼の問題であり、そして科学に耳を傾けた場合、現実的になる必要があると思うという理由から、我々は実施する必要のある全ての手順や検査を行いますということを示さなければならない。
マカオでの(新型コロナウイルス感染の)第一波と第二波は経験した。だが第三、第四の波があるならば、完全に個別のケースであることを願おう。
事業者として我々が示さなければならないのは、反応する方法を自分たちが知っているということだ。なぜなら、我々が絶対に避けたいことは、完全閉鎖に戻ることだからだ。何とかそれを阻止して、前へ進めるようにしなければならない。開けたり閉めたりという状況は我々にとって恐ろしい状況だろう」と述べた。
マカオの入境口がいつ、どのように再び開かれ始める可能性があるかについての考えを聞かれたボウイ氏は、絶対的に確実だというものを提供するのは不可能であり、MGMは代わりに複数の可能性に備えていると述べた。
「重要な問題は市場に応えなければならないということだ。だから、プランはかなり流動的だ。4月のプラン、5月のプラン、6月のプラン、そして7月のプランがある。これまでにそれぞれのプランを発展させる必要があり、それら全ては外部的な事象がきっかけとなる。
当社のセールスおよびマーケティング、関連部門のチームは実際、時間の全てを費やして、(プランの)開発、再開発そして改良の努力を続けており、それと同時に顧客とのつながりを維持する努力も行っている。我々の顧客との関係はMLifeを通じたものであり、それを維持していく必要がある。しかし、また、それを積極的なリサーチにも利用する。彼らが何を考えているのか、どう感じているのか、何を期待するのか、マカオに戻ってくる可能性はどれくらいあるのか、彼らが影響を受けた自分たちのビジネスやコミュニティをどう見ているのか、そしてどの点で快適だと感じれば戻ってきてくれるのか?など」
ボウイ氏は、プレミアムセグメントはマス市場よりも早いペースで回復する可能性が高いという市場心理には同意したが、カジノ営業の全領域が新しい「普通」に慣れる必要があると指摘した。
「(ゲーミングフロアは)もっとスペースを取って配置されるようになると思う。しばらくの間は人が集まるような状況は作らないだろう。
今見ているように、政府が合理的に課した制限がある。我々が安全に営業できると示せるようになるまでそれらの制限は適用されるだろう。従って、各ゲーミングテーブルに座る人数を制限したり、ゲーミングマシン周辺の人の密度を制限しなければならない。そしてマスク着用、消毒剤使用の義務などを決めておく必要がある。
また、やっていくなかで、チップの洗浄という問題もある。だから、そのレベルの信頼性を与えるにはそれら全てのことを実行する必要がある。そして、それは継続的に監視し、評価していく必要がある」