ゲンティン・シンガポールは、2019年12月31日までの3カ月間に収益が前年比9%減となる6億720万シンガポールドル(以下、Sドル)に減少したことを報告した。その中にはリゾートワールド・セントーサ(RWS)での13%のカジノ収益の減少が含まれており、政府が4月に実施した入場税引き上げがマスマーケットに打撃を与え続ける形となった。
他には、マスマーケットGGRが前年同期比で18%減となる3億2,200万Sドル(約255億3,950万円)に減少し、一方でVIPのGGRは主に運が味方したことで2億7,700万Sドルの横ばいを維持した。
投資顧問会社バーンスタインは、シンガポールの入場税が一日150Sドル、年間3,000Sドルへと50%引き上げられた結果について、「現地プレイヤーの来場が減ったことで、マスゲーミングが入場税引き上げの影響を受け続けた。そしてその影響は2020年第1四半期も続くことが予想される」と述べた。
収益の減少にもかかわらず、19年第4四半期、ゲンティン・シンガポールでは、調整後EBITDAは2億8,760万Sドルへと1%微増、そして純利益は1億5,590万Sドルへと4%増加した。
この結果は、カジノ収益が16.2億Sドルへと4%減少する中、年間収益を24.8億Sドルに押し上げ、同社は前年比の減少を2%に抑えることができた。調整後EBITDAは3%減の11.9億Sドル、そして純利益は9%減の6億8,860万Sドルとなり、ゲンティン・シンガポールは、ビジネスが「地政学上の不確実性と経済の変動性の影響に見舞われた」と述べた。
同社はまた、45億Sドル(約3,570億円)をかけたRWS2.0拡張の一環として特定資産を除去する計画をしているために、2018年と比べて減価償却費が増加したことも理由に挙げた。
2019年上旬に発表した拡張に関する詳しい情報を説明する中で、ゲンティン・シンガポールは、新アトラクションの第1弾の没入型ダイニングコンセプト「Once a Pirate」が年末までのオープンに向けて順調に進んでいることを明かした。
同社は、「プロジェクトの残り部分の建設は続き、3月にはマリタイム・エクスペリエンシャル・ミュージアムが、受賞歴のある当社のシー・アクアリウムの新しい拡張部分へと全面改装される。
ウォーターフロント・プロムナードの全面変容の道を開くウォーターフロント・ライフスタイル・コンプレックスが建設され、当リゾートに2つの新しいディスティネーション型ホテル、1日中食事を楽しめるレストランや刺激的なライフスタイル体験、そしてクレーン・ダンス(Crane Dance)の代わりとなる当施設を代表する一般向けショーが加わる。
シンガポール南部を活性化させる変容の旅を率いるRWS2.0は、都市再生の重要な媒体となり、次の10年の観光産業成長の新しい波を勢いづかせる」と述べた。