オーストラリアに上場するアクイス・エンターテインメントが、提案中の買収契約を解除した。同契約ではブルーホエール・エンターテインメントが同社の発行済み株式の86.99%を取得することになっていたが、当局の承認を得ることができなかった。
オーストラリア証券取引所への報告書の中で、アクイスは、2019年12月21日までにオーストラリア首都特別地域(ACT)の規制当局の承認が得られなかった場合、同契約は解除されるという当初の取引契約の条件に言及した。両当事者がそれ以来、全ての承認を得るための期限延長を協議してきたが、アクイスは当事者間で延長に関してそのような合意に達することはなかったことを明かした。
「その結果、アクイスおよびアクイス・キャンベラ・ホールディングス(豪)は、ブルーホエールに対して解除通知を出した。トランザクション・ドキュメントの解除は2020年2月6月付で発効する。売買取引の解除を受けて、当社取締役会は、今後生じる可能性のある新たな事業機会を検討するなど、当グループの戦略を見直し、事業における継続的な改善と成長を保証していく」
アクイスは現在、当初のトランザクション・ドキュメントで合意された通り、ブルーホエールから28万豪ドル(約2,086万円)の「違約金」の支払いを求めていることを付け加えた。
香港の実業家、トニー・ファン氏が支配権を持つアクイスはこれまで、3億3,000万豪ドル規模となる施設の再開発を開始するためにACT政府と交渉を続けてきた。再開発には2つの新たな高級ホテルおよび世界レベルの飲食・小売店舗の開発が含まれている。しかしながら、カジノキャンベラが設置を許可されるスロットマシンの数を巡る意見の相違によって、交渉は行き詰っている。