新しく就任したマカオ経済財政庁の李偉農(Lei Wai Nong)長官は、昨年初めてマスマーケット収益がVIPセクターを上回ったことを受けて、2020年のマカオの経済的な展望について「慎重に楽観的」だと話す。
ゲ ーミング監察協調局(DICJ)が先週公表した数字は、2019年マカオのゲーミング粗収益(GGR)が合計で2,924.6億マカオ・パタカ(約3兆9,411億円)となり、前年比では3.4%のマイナスとなったことを示していた。マイナスの影響が感じられたのは主に年後半で、GGRは6カ月中5カ月で前年比マイナスとなり、12月には228.4億マカオ・パタカ(約3,078億円)へと13.7%減少した。
賀一誠新行政長官による新政権の一員として、12月20日に梁維特(Lionel Leong)氏に代わって経済財政長官に就任した李氏は、金曜記者団に対して、好調なマス市場の業績と複数の新カジノのオープンが近く迫っていることから、将来への楽観的な見方を示した。
李長官によると、2019年、マカオのカジノのマスマーケット収益はGGRの53.7%を占め、初めてマカオのゲーミング粗収益の半分以上となった。反対に、VIP収益は46.3%に減少した。2018年は、マスマーケットがGGRの45.3%、VIPが54.7%を占めていた。
李長官は、2019年、マスマーケットゲーミングからの収入が前年比で16.7%の伸びとなり、VIP売上は18.5%減少したことを付け加えた。詳細については来週公表される予定。
GGRの減少にもかかわらず、李長官は、マカオのゲーミングセクターからの年間収入としては、2019年はそれでもなお2001年の自由化以降5番目に高い数字を示していると述べ、政府は、2008年から2009年、そして2014年から2016年にかけて起こった世界的な経済不安の際に得た経験のおかげで潜在的な難題への備えはできていると加えた。
長官は、政府は「世界経済の展開を注意深く観察し、そしてマカオの経済にとって必要だと思われるあらゆる予防的措置を取っていく予定だ」と述べた。
李長官はまた、SJMの待望のコタイ統合型リゾート、グランド・リスボア・パレスを筆頭に、マカオで複数のカジノの開業が迫っていることをプラスの要因として挙げた。