ゲンティン・マレーシアは、完全子会社のゲンティン(USA)社(ゲンUSA)がゲンティンのリム・コック・タイ会長の家族信託であるKien Huat Realty III Ltd(KH)から1,320万株のエンパイア株を取得したことで、米拠点のゲーミング会社、エンパイア・リゾーツの完全支配権獲得にむけた株式買付を正式に開始した。
1億2,860万米ドル(約140億850万円)の株式購入は元々、8月前半にこの複雑な買収計画の最初の一歩だと大々的に宣伝されていた。計画では、ゲンUSAとKien Huatが合併によって共同で、ニューヨークのリゾートワールド・キャットスキルズを運営するエンパイアの残り全ての株式取得を目指し、Kien Huatが51%を、そしてゲンティンが49%を所有する新会社を設立することになっている。
火曜のマレーシア証券取引所への報告書の中で、ゲンティン・マレーシアは、ゲンUSAが現在エンパイアの株式を希薄化前ベースで38.3%、完全希薄化後ベースで33.3%保有しており、現在発行済みになっている全ての優先株をエンパイアの普通株へと転換することを想定していると述べた。
Kien Huatは以前、エンパイアの発行済み株式の86%を保有していた。
同社は「ゲンUSAとKHの買収案を完結させるという義務は、合併案からは独立しており、それを条件にしていない」と付け加えた。
今回の株式購入は、エンパイア・リゾーツの少数株主が、他の株主の利害に反して同社を私有化へと向かわせていると主張して、エンパイア、ゲンティン・マレーシアおよびKien Huaを相手取った訴訟を起こしているにも関わらず行われた。
ゲンティン・マレーシアは以前、この公開買付を、リゾートワールド・ニューヨークシティとのクロスマーケティングを通じてリゾートワールドブランドをこの地域でより優位な立ち位置にさせ、費用削減と自社のIR経験を活用してリゾートワールド・キャットスキルズの業績改善を助けるための機会だと説明していた。