とことんストロングスタイルを貫く構えだ。香港の大手IR「ギャラクシー・エンターテインメント・グループ」(GEG)は23日、大阪市北区のコンラッド大阪で記者会見。今後も日本政府や地方自治体の本格公募(RFP)などのスケジュールや動きを見据えながら大阪と関東圏の両面作戦を展開していくことを明かした。
GEGは大阪IRへの参入を示唆しており、注目度を反映するかのように新聞、テレビなど主要メディアが出席した。その中で日本開発責任者のテッド・チャン氏は「わたしたちはいま最も成長著しいIR事業者。クオリティーの高い施設をつくり、日本政府の要望に応える自信はある」と力強く語った。
それを支えている点として挙げたのが2018年に1,900億円の純利益、調整後EBITDAの2,379億円及び19%のEBITDA成長率等、健全な財政面だ。「可能性は低いだろうが、2つの都市でも喜んでやりたい。1兆円規模のプロジェクトを複数できる数少ないIR事業者」とも話した。
また、IR開業へ向けた方針の柱として政府が掲げる2030年にインバウンド客6,000万人という目標達成にフォーカスしていくことを重ねて強調した。
参入する都市については「大都市」と明言。「7カ月かけて大阪を調査した。施設で重要なのは大規模な展示会や国際会議ができるMICE。大阪の施設は世界的に見て評価が低い。大阪にはもっといい施設が必要だ」と続けた。
また、大阪の強みとして「京都、奈良などの観光資源が近くにあること」と日本地区総支配人の岡部智氏は話し、テッド・チャン氏は「電車に乗って2時間も走れば2,000万人の人口となる。ちょっとした国と同じ」と魅力を口にした。
夢洲へのアクセス整備に関して、チャン氏は地下鉄延伸に掛かる200億円の拠出はもちろん「できる限りサポートしたい」と話した。
一方、大阪府市が2025年万博との相乗効果を期待し、24年開業にゴールを決めていることには「きょうにも始めなければ間に合わないかもしれない」と苦笑い。「よって部分開業もありではないか。ホテルが先というのならそれに応じたいが、品質での妥協だけはしたくない」とGEGの姿勢を示した。
2兎追う者は1兎も得ず、というが、現時点では可能性を閉ざさず柔軟に対応して行こうとしている。どうやらこれが”ギャラクシー流”のようだ。
大阪ファーストのMGM、鳴りを潜めたままのゲンティン・シンガポール。大阪IRへ向け、三者三様となっている。