千葉市の有力企業がIRの幕張誘致を目指し、新会社「MICE IR千葉」を立ち上げた、と日本経済新聞が報じている。
新会社に出資したのは幕張地区に本社を置く新日本建設やキッツといった上場企業のほか、千葉駅周辺の開発を手がける塚本総業(東京・中央)、OA機器・測量機器販売の千葉測器(千葉市)、立体駐車装置の製造・販売を手がける二宮産業(同市)など10社。資本金は3億5,000万円で、8月7日付で設立した。
19日に記者会見した金綱一男社長は「幕張の土地を最も有効に使えるのはIR。(誘致できれば)千葉の経済や文化が劇的に変わっていく」と指摘。「横浜に匹敵するよう、市に前向きな検討をしてもらいたい」と訴えた。今後、県内企業を中心に出資を募りながら、幕張地区にIRを導入する事業提案などの検討を進めていく方針だ。
新日本建設会長を務める金綱氏は、この日の記者会見で誘致活動における幕張地区の強みを、成田空港や羽田空港に近い立地、国内有数の長さを誇る人工海浜の景観、幕張メッセなど周辺インフラの充実度、などと列挙。その上で、幕張メッセを増改築して国内最大級の展示場を作ることや、ZOZOマリンスタジアムを市民向け施設として残しつつ、プロスポーツ用の新たな球場を作ることなどを検討していると明らかにした。
カジノ部分は、展示場や新球場などの集客施設と動線を分ける方向で考えているという。具体的な構想案や経済効果の試算を今後詰め、10月末に市に提案する。
千葉市は7月、IRを誘致するかどうか判断するため民間企業から情報を募集すると発表。8月には情報提供の意向を持つ企業・団体の登録を受け付けていた。登録された具体的な企業・団体名は明らかにされていないものの、市内からは2社が登録したことが公表されている。
MICE IR千葉はこのうちの1社。もう1社は、幕張地区に本社を置く地元企業などが17年5月に設立したちばの未来MICE・IR(千葉市)で、中小企業を中心に現在約50社が賛同している。