カジノ界の大物であるパンジー・ホー氏が今週の国連人権理事会に向けた演説で、最近起こった香港全域でのデモ活動への香港政府の対応に支持を表明する予定をしている。マカオのカジノ最高幹部の一人がこの問題について明確な意見を表明するのは初めてのこととなる。
サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は、火曜にジュネーブで香港女性連合会(香港各界婦女聯合協進会)の代表としてホー氏が行う演説の詳細を手に入れ、57歳のホー氏がデモを引き起こした問題の逃亡犯条例を「善意からのもの」と呼んでいると報じている。
2018年に大きな注目を浴びた殺人事件は、台湾で交際相手の女性を殺害したと言われる香港人が香港に逃げ帰り、起訴することができなかったというものだった。この事件に言及したホー氏は、過激なデモ隊がこの問題を乗っ取り、「女性が亡くなってもなお1人の香港人の権利を保護し、香港政府の権限を弱体化させるためのプロパガンダ」として使用しているとデモ隊を非難すると伝えられている。
デモ活動が長期的に香港に与える可能性のある「マイナスの影響」への懸念を示しながら、ホー氏はまた、デモ隊との様々な衝突や催涙ガス使用の最近の映像を見た後で警察の行動を擁護する予定をしている。
ホー氏は演説の中で、「催涙ガスとゴム弾は世界中の警察が使用する道具であり、香港警察に限ったものではない。法の施行の手続きに従って使用された催涙ガスとゴム弾は、警察とデモ隊との間の距離を作り出し、近距離での物理的な衝突やその結果としての負傷を回避するための有効な手段である」と述べている。
サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙が、その演説が中国政府の承認を受けているかどうかは定かではないと述べた一方で、マカオのカジノライセンスの再入札がたった3年後に行われることを考えると、これはホー氏による重要な政治的動きを示している。
マカオで最も影響力のある有力者の1人であるホー氏は、カジノコンセッションを保有するMGMチャイナの共同会長兼執行役員で、22.49%の株式を保有している。また、Sociedade de Turismo e Diversões de Macau,S.A.(STDM: 澳門旅遊娯楽股份有限公司)の53%の株式を保有するコンソーシアムの主要メンバーでもある。そしてSTDMは、マカオのコンセッション保有6社の一社であるSJMホールディングスの54%の株式を保有している。
ホー氏は、フェリーを運航するターボジェット を所有し、マカオ全土の様々なビジネス及び住宅開発にも利害を持つ信徳集団(シュンタックホールディングス)のグループ経営執行役会長兼代表取締役も務めている。