アジアのカジノ事業者、メルコリゾーツ&エンターテインメントは、NSW独立酒類&ゲーミング局が最近になって、メルコによる第2トランシェのクラウン株取得への調査開始を発表したことを受けて、この分の株式取得を先送りしている。
メルコは5月、ジェームス・パッカー氏のCPHクラウン・ホールディングス(CPH)との間で、総額17.6億豪ドル(約1,256億円)でクラウン・リゾーツの19.99%の株式を取得することで合意に達したと明かしており、6月と9月の2度に分けて支払うことで取引が完了することになっている。
第1トランシェの67,675,000株は2019年6月6日に取得が完了しており、メルコは最初の10%を手にした、しかし、第2トランシェの67,675,000株の取引完了はNSW当局による調査の結論が出るまで延期される。
水曜遅くに取引条件の修正を発表したメルコは、CPHと第2トランシェの取引成立を2019年9月30日から調査の最終結果後最大60日まで先送りにするための合意に達したと述べた。
両当事者は期限日を2020年5月31日に設定し、双方の合意によって6か月の延長が可能で、期日後にはいずれかの当事者から解除通知を出すことができる。
この取引はまた、調査結果が、メルコまたはCPHのどちらかが受け入れられないと考える制限や条件を求めた場合にも中止となる可能性がある。
NSW独立酒類&ゲーミング局は、オーストラリアメディアがクラウンとアジア犯罪組織とのつながりに関する疑惑、そして同社のジャンケット事業者との関係についての疑念を報道したことを受けて、3週間前にその調査を発表した。また、ローレンス・ホー会長兼CEOがマカオのカジノ王、スタンレー・ホー氏の息子で、クラウンは、NSW規制当局との間で2014年に合意した通り、スタンレー・ホー氏とのいかなるビジネスも禁止されていたということを基に、メルコによる株式取得も疑問視された。
ローレンス・ホー氏は高齢の父親から何度も距離を取っており、もっとも最近では、父親は「これらの会社のいかなる財務および業務方針またはその他の問題に一切の影響力を行使していない」と繰り返し述べていた。