メルコリゾーツ&エンターテインメントは、ニューサウスウェールズ(NSW)独立酒類・ゲーミング局がメルコによるクラウン株19.99%株取得に関して公式調査を行うと発表したことを受けて、ローレンス・ホー会長兼CEOの父親であるスタンレー・ホー(何鴻燊)博士から再び距離を置いている。
先週Inside Asian Gamingが伝えた通り、豪メディアが最近クラウンリゾーツとアジア犯罪組織がつながっているという疑惑、そしてクラウンによるジャンケットの使用への疑念を報じたことで調査が行われることになった。
NSW当局は2014年、クラウンに対してホー博士と繋がりのある企業との関与が一切ないという条件の下で222億豪ドル(約1兆5,907億円)のクラウン・シドニーにゲーミングライセンスを発行した。そのことから、同じ報道がメルコによる最近のクラウン株取得を問題として取り上げている。
ロイターが金曜遅くに公表した文書の中で、メルコは再度スタンレー・ホー氏とのあらゆる取引から距離を取り、ホー博士は「これらの会社のいかなる財務および業務方針またはその他の問題に一切の影響力を行使していない」と述べた。
メルコはまた、NSW独立酒類・ゲーミング局によるクラウン株取得への調査に協力することも約束した。
スタンレー・ホー博士は、マカオカジノ業界の生みの親として広く知られており、同氏が共同で創業したSociedade de Turismo e Diversões de Macau,S.A.(STDM)は1962年から2002年までマカオでのカジノの独占営業権を保有していた。STDMはまた、2002年の業界自由化後にマカオのゲーミングコンセッションを付与された6社のうちの1社であるSJMホールディングスの過半数株主でもある。
しかしながら、97歳のホー博士の健康状態は近年悪化しており、2009年末に病に伏して以来公の場にめったに現れなくなった。同氏は2018年6月に正式にSJMの会長を辞任したが、しばらくの間会社の日々の業務への関与は皆無かそれに近い状態だった。
NSW独立酒類&ゲーミング局は先週、この調査は、22億豪ドルをかけて建設中のクラウン・シドニーのカジノ(2021年完成予定)経営と運営が犯罪組織の影響や搾取のない状態を維持していること、ゲーミングが「公益や個人及び家族に害を及ぼす(中略)可能性を管理しながら」誠実に行われていることを確かにするために行われると述べた。