米王手IR「MGMリゾーツ・インターナショナル」の日本法人は28日、大阪市内のホテルでセミナーを開き、幹部がIAGなどの取材に応じた。
日本政府が参院選などへの影響を考慮し、IR整備へ向けた基本方針の公表を夏から秋以降に先送りすることを受け、日本MGMリゾーツのエド・バワーズ最高経営責任者(CEO)は「遅延は数カ月にとどまるとみており、それほど大きな影響はないだろう。大阪ファーストの姿勢も変わらない」と話した。
また大阪府市が従来通り2024年開業の方針を貫こうとしている姿勢について「アグレッシブな目標だが、間に合わせたい」と応じた。
また別の幹部も「われわれは政府の決定に従って突き進むだけ。大切なのは住民のニーズを知り、理解を得ることだ」と話した。参加者からも「大阪のスケジュールは変わらないでしょう」と楽観視する声が多かった。
セミナーでは3人の日本人女性リーダーを招き、IRに置ける「雇用・働き方」をテーマに意見交換した。MGMからは前ネバダ州知事で今年1月に日本IR成功への切り札として国際開発担当責任者に就任したブライアン・サンドバル氏らが出席。「ネバダ州でもそうだったように経済の多様化は健全な状態であり、統合型リゾートは活力を生む。夢洲での新しい産業も新たなニーズと雇用を生む」と話した。
ブライアン氏は全米知事会会長を務め、昨年8月に大阪を訪問するなど、日本の首相と親交が深い。日本進出を統括する立場。鈴鹿有子・関西医科大学国際交流センター長らからは「女性をどう登用してくれるのか、期待しかない」とエールを送られた。
MGMは13日からグランフロント大阪で自社の事業やIRに関する展示会を開催。それと並行して「地域経済振興」「ギャンブル依存症対策」についてセミナーを開催し、この日が3回目だった。展示は31日まで行い、実施したアンケートなどを今後の事業展開の参考にする。