中国経済の鈍化を背景にVIP売上が低下したことで、幸運による支えがあったものの、19年第1四半期のゲンティン・シンガポールの収益、調整後EBITDA,そして純利益の全てがマイナス成長となった。
2019年3月31日までの3か月間のリゾーツ・ワールド・セントーサ(RWS)の収益は、前年比5%減の6億4,040万シンガポールドル(Sドル)(約515億3,980万円)となり、調整後EBITDAは18年第4四半期の2億8,600万Sドルは大幅増加となったものの、前年比では8%減の3億2,970万Sドルとなった。税引き後純利益は5%減の2億550万Sドルだった。
この数字は、同四半期のVIP売上が19%減の76億Sドルに落ち込んだ結果によるもので、経営陣は中国経済の不透明感と地政学的な摩擦を指摘しており、「2019年も継続して不透明感が立ちこめる可能性がある」と語っている。
この結果を振り返る中で、ユニオン・ゲーミングのグラント・ゴバートセン氏は、客がシンガポールから比較的近場にある別の地域型施設に移っている点についても指摘し、2019年のRWSのVIP売上は12%減少すると予想している。
VIPセグメントはマーケットシェアを失う結果となり、2018年第4四半期の47%から44%に低下した。
ゴバートセン氏は、同四半期のマスのゲーミング粗収益は約3%成長したと予想しているが、「最近実施された入場税の増額という状況下において、RWSでのこのセグメントについては楽観視していない。この増額は収益とマージンの両方に重くのしかかってくるだろう。入場税の増額実施以前でさえも、マス顧客の一部は他の地域型施設を試しに訪れており、これらの施設がVIPよりも下の客層に対してさえも魅力的な価値を益々提供することができるようになるにつれて、今後数か月間でこの動きは増えていくだろうと予測している」と付け加えた。
ゲンティン・シンガポールは最近、近い将来45億SドルをかけてRWSの拡張を行うことを発表しており、ゲーミングおよび非ゲーミング施設に加えて1,100室のホテル客室が追加される予定で、2024年までの完成予定となっている。