マカオでカジノを運営するSJMホールディングスでは、2019年3月31日までの3カ月間にゲーミング粗収益、調整後EBITDAそして利益の全てが増加した。しかしマカオゲーミング市場に同社が占めるシェアについては、その競争に後れを取る結果となった。
SJMは火曜、年末に予定しているコタイの統合型リゾート、グランド・リスボア・パレスの開業を心待ちにしている中で、同社のゲーミング粗収益(GGR)は、19年第1四半期のマカオのカジノ収益の14.1%を占め、12か月前の14.7%からは減少となったことを明かした。
マーケットシェアの縮小にも関わらず、純収益は、マスマーケットの成長によって押し上げられて、0.8%増の84.8億香港ドル(約1,203億円)となった。マスマーケットは前年比7.9%増、前四半期比4%増となる61.9億香港ドルとなった。それに対してVIPのGGRは前年比19.4%減、前四半期比16%減の35.2億香港ドルとなった。手数料及び奨励金支払い前のGGRは4.6%減少して104.2億香港ドルとなった。
19年第1四半期のグループの調整後EBITDAは8.9%増の10.8億香港ドルにのぼり、EBITDAマージンは11.5%から12.4%に上昇した。株主に帰属する利益は16.5%増加して8億5,000万香港ドルにのぼった。
SJMの旗艦施設、グランド・リスボアでは、四半期GGRが前年比10%減の35.2億香港ドルに落ち込み、投資顧問会社のバーンスタインは、ホールド率の向上(3.2%)と事業ミックスの改善によってEBITDAマージンが18年第1四半期の14.2%に対して17.1%に改善するとしていたものの、アナリスト予想よりも低い結果となった。
バーンスタインは、「同四半期にVIPは苦戦し(-17%)、マスは成長した(+3.7%)。プレミアムマスではホールド率が改善したが、両方がマーケットほど好調な結果とはならなかった」と述べた。
サテライト(第三者による運営)・カジノのGGRは1%減の54.3億香港ドル、自社運営カジノのGGRは4%減の14.7億香港ドルとなった。
SJMの副会長兼CEO、アンブロース・ソー氏は、「マスマーケット事業の強化に取り組んだ当社の努力が、第1四半期の純利益と調整後EBITDAの実質的な増加という結果につながったことを大変うれしく思う。当社はコタイのグランド・リスボア・パレスを完成させるまでの間、継続してマカオ半島での事業強化に力を注いでいく」と語った。