香港に上場するサミット・アセント・インターナショナルでは、マスおよびプレミアムマスゲーミング事業での大幅な成長に後押しされて、ロシアにある統合型リゾート、ティグル デ クリスタルが2018年黒字に転換した。
同グループは、収益が1.6%減の4億6,320万香港ドル(約65億7,603万円)となったにもかかわらず、2017年の1,000万香港ドルの損失から2018年は410万香港ドルの利益に増加したことを報告した。収益減少は、香港ドルで報告される収益にロシアのルーブル安がマイナスの影響を与えたことが主な原因となったとサミット・アセントは説明した。
ティグル デ クリスタルでのマスマーケットのテーブル・ドロップ(掛け金)が2018年、21%増の7億香港ドルとなり、マス売上高が2017年の1億3,200万香港ドルから26%増となる1億6,700万香港ドルを記録したことが、同年のグループの収益性を押し上げる主な要因となった。ホールド率も22.9%から23.9%へと増加した。同様に、スロット売上高も、スロット掛け金総額の30%の伸びに後押しされて、前年比19%増となる1億4,300万香港ドルに成長した。
サミット・アセントは昨年9月、同社の事業の焦点をVIPからマスとプレミアムマスへと移行させていることを発表していた。
この焦点の変更を背景に、ローリングチップの売上高は前年比17%減の156億香港ドルとなり、純収益は35%減の1億900億香港ドルとなった。粗収益率も3.69%から3.11%に減少した。
会社発表の中でサミット・アセントは、計画中のフェースIIの開業日を2020年末から2021年前半へと延期したことも明らかにした。しかしながら、郭人豪(Kuo Jen Hao)会長は、ティグル デ クリスタルの隣でヴィラとサービスアパートメントの建設準備工事がすでに開始されており、来年早々にもオープンする予定であること、そしてそれによって宿泊客の収容可能数が約50%増加することを付け加えた。
会長は「我々はこれからもティグル デ クリスタルの継続的な増強に全力で取り組んでいく。今後数か月の間にフェーズIIプロジェクトの設計変更と資金調達計画をまとめる予定をしており、2021年夏のオープンを目指している。プリモリエ・エンタテイメントゾーンで他の統合型リゾート事業者が建設を加速させていることが、当社の事業案の正当性をさらに立証している。そしてクラスター効果によってこのエリアは今後数年の間に人気に火が付くだろうと考えている」と語った。