2002年にラスベガス・サンズ(LVS)が、大きな利益を生み出すマカオのゲーミングコンセッションを獲得する際、自身が重要な役割を担ったとして、香港の事業家がLVSに対して契約違反で3億4,700万米ドル(約388億円)の損害賠償を求めている。
リチャード・スェン氏が所属するラウンドスクエアは2000年代初めにLVSに助言を行い同社に重要な政府の契約をもたらしたとされている。同氏とカジノ大手のLVSとの間の今回の民事訴訟では、水曜にクラーク郡地方裁判所において何百万ドルもの賠償額をめぐって第1回目の弁論が行われた。
スェン氏の弁護団が賠償額を引き上げ、3億4,700万米ドルを求めた一方で、LVSはラウンドスクエアによる仕事の実質的な価値は多くても376万米ドル程度であり、LVSがマカオのゲーミングのサブコンセッションを獲得するかなり前に、ランウドスクエアによる支援は終了していたと主張した。
共同通信(AP)によると、LVSのリチャード・ザウバー弁護士は、「ラウンドスクエアは実際何をしたのか?彼らの仕事の質はどうだったのか?それらのサービスの価値とは何なのか?」と話した。
「ラウンドスクエアグループは、交渉の席に着いた目的、つまりはライセンス、を届けずに、アデルソン氏にはそれができると伝えていた。」
スェン氏と彼の弁護団が求める3億4,700万米ドルという額は、以前の2つの訴訟で裁判官が扱ってきた中では最高額であり、APは、損害賠償額は100万米ドルから1億4800万米ドルの間になると考えられていたと伝えた。
過去2回の訴訟では、陪審員はスェン氏に好意的な判断を下し、LVSによる最初の上訴後の2008年には4,400万米ドル(約49億円)、そして2013年には7,000万米ドル(約78億円)という賠償額が認められていた。LVSがこの直近の裁判の内容を不服とした場合には3度目の上訴が行われる可能性もある。
LVSの会長兼CEOであるシェルドン・アデルソン氏は体調悪化によって裁判に出席できないために、裁判では、会社を代表する形で以前のビデオ証言が流されることになる。LVSは先月、アデルソン氏が非ホジキンリンパ腫治療の薬の副作用と戦っていることを明かした。