恐れていたことが現実となった。大阪府の松井一郎知事(大阪維新の会代表)は7日、大阪市の吉村洋文市長とともに辞職し、4月の統一地方選に合わせてそれぞれ市長選、知事選に入れ替わって立候補する方針を固めた。8日に正式表明する。
この日、いわゆる「大阪都構想」の設計図を検討する法定協議会が開かれ、協力を見込んでいた公明党との交渉が決裂したため、民意を問い直して局面の打開を目指す。
松井知事はNHKなどの取材に対し「公明党にだまされたままでは死んでも死にきれない。ここで泣き寝入りをしたら人生の最後まで引きずる。あす会見を開き、われわれの次の進路をはっきり申し上げる」と話した。
松井、吉村の両氏は本来ならそれぞれ11月、12月に任期満了を迎えることになっていた。同じ立場で立候補すると当選しても年内に再び選挙が必要となるため、知事と市長を入れ替えて出馬する。知事選は3月21日、市長選は同24日に告示。投開票は府議・市議選と同日の4月7日となる。
両氏は大阪IR誘致の最重要キーパーソン。関係者には衝撃が走ったが大阪に事務所を構える海外IR事業者はIAGの取材に対し「ある程度想定はしていたが、本当にダブル選になろうとは。いまは冷静に推移を見守るしかない」と話すにとどめた。