IR誘致を進める和歌山県が大阪に続いて2024年度の開業に名乗りを上げた。誘致する場所は「和歌山マリーナシティ」で、すでにインフラ設備などの整備は完了している。
県は同じく誘致を目指している大阪・夢洲のIRとの相乗効果を期待しており、来年度予算案に2億円超の関連予算を計上した。関係者によると関連予算には、誘致するIR事業者の実績や資金面を調べる業務の外部委託費などが含まれるという。産経新聞社などが伝えた。
候補地の「和歌山マリーナシティ」は関西国際空港からほど近く、背後には世界遺産の高野山や名湯白浜温泉、パンダで知られる白浜アドベンチャーワールドなどの魅力的な観光地を多数抱える。県は大阪との同時開業で和歌山のIRに年間400万人が訪れ、経済波及効果は3000億円に上ると試算している。
誘致へ向けては当初、政界の実力者で地元和歌山出身の自民党・二階俊博幹事長の存在が大きな後ろ盾になるとみられる一方で本命候補・大阪との地理的な近接性がマイナス材料とされていた。しかし、ここに来て政府IR推進本部が「地域性は配慮しない」との見解を示したことで県の誘致活動に勇気を与えていた。
シンガポールのIRも市街地とセントーサ島にある。これらと同様に大阪と和歌山は”関西ツートップ”としての相乗効果が期待される。