年明けから海外IR事業者の売り込みが一気に活発化してきた印象だが、同時にギャンブル依存症対策を着実に行うことも必要だ。
政府は、カジノ事業に関する広告は、空港や港の国際便の発着ターミナル周辺に限定して認める方針を固め、3月までに策定する政令に盛り込むことを決めた。ギャンブル依存症対策のため、IR施設の外では原則として広告は禁止するが、外国人旅行者の誘客目的に限り認める。日本経済新聞が報じた。
昨年7月にIR実施法が成立する以前から、政府のIR推進会議では「世界最高水準の規制」を確立するため、カジノの弊害防止対策を議論してきた。今回の決定は、推進会議の「取りまとめ」に沿ったもの。
カジノ事業に関する広告や勧誘を制限することで、ギャンブルへの依存を防止し、また青少年の健全育成につなげるという考え方に基づく制度設計。しかも、IRは国内外から子供を含めた多くの者が訪れる施設であり、良好な環境を守るために広告・勧誘を制限する必要があることは意見が固まっている。
国際線が発着する空港や港のうち、国際線の利用客が使う入国審査区域や税関などでの広告は認められる。日本人のギャンブル依存症を懸念する声を考慮して、日本人の目にとまりやすい外国人向け観光案内所や鉄道・バスの乗降所は対象外とされる。