関西大手鉄道会社の目はこぞって夢洲に向けられている。今回、名乗りを上げたのは京都、奈良、名古屋方面などに沿線網を持つ近畿日本鉄道だ。大阪湾に浮かぶ人工島の夢洲は2025年に開催される万博会場であり、2024年に開業を目指すIRの候補地にもなっている。共同通信社などが報じた。
今回の計画は奈良|夢洲間を直通特急で結ぶもの。具体的には近鉄奈良駅を始点とする奈良線と大阪メトロ中央線に乗り入れている近鉄けいはんな線をつなげることで最終的には夢洲までのアクセスをスムーズにさせる。ただし、奈良線と中央線は電気の取り入れ方が異なるため、2つの方式に対応できる新型車両の開発も検討する。
奈良は東大寺 薬師寺など8つの世界遺産に恵まれ、観光資源が豊富。さらに、これが実現すれば、大都市の名古屋や国内有数の観光スポットでもある伊勢志摩方面からも乗り換えなしで夢洲までつながることになり、利便性が格段に向上する。
すでに、京阪電気鉄道も夢洲へのアプローチとして中之島線を延伸し、九条と結ぶ構想を明かしている。
大阪府と大阪市は夢洲への交通手段として大阪メトロ中央線の延伸を検討しており、事業費を約540億円と見積もる。IRの事業者選定の条件として、夢洲への地下鉄延伸費のうち、200億円の負担を求める考え。複数のIR大手事業者は、これに応じることを明かしている。