夢が広がった。17日、大阪府の咲洲庁舎(住之江区)を訪れた私は「大阪IR推進局」の職員3人と面会後、24階のフロアから眼下に浮かぶ夢洲(此花区)を望んだ。そう、言うまでもなく大阪IRの候補地だ。
大阪湾には舞洲、咲洲、夢洲の人工島があるが、実を言うと夢洲は大阪市民にもほとんど知られていない。私も実際に眺めるのは、これが初めてだった。
「舞洲からあの白い橋を渡ったところの奥側がIRの予定地です」と職員。「左側の一体が万博の予定地で、私たちがいる咲洲から夢洲まですでにトンネルでつながっています」
なるほど、職員が指さす方を見ると確かに両島は海底トンネルで結ばれていた。万国博覧会の開催は25年。その1年前にはIRの大型施設が完成しているはずだ。どんな建物になっているのか。想像しただけで何だかワクワクしてきた。
もっともIR開業へ向け、クリアすべき課題は多い。そのひとつとして、17日午後には大阪IR推進局主催の「ギャンブル依存症予防セミナー」が大阪・中之島で開かれた。場所は日本MGMリゾーツが開設したばかりの大阪事務所のすぐ近く。この種のセミナーは今回で3回目だそうで、専門家2人が「ギャンブル障害の実態と治療」などをテーマに2時間以上講義を行った。依存症の推計数値は世界的にみてもワースト。今後も啓蒙活動を続け、支援体制を強化する必要性がある、とまとめた。
実際に耳を傾けたが、すぐに解決の糸口が見つかるようなものではない。足元もしっかり見つめていく必要がありそうだ。