リゾートワールド・マニラ(RWM)を運営するトラベラーズ・インターナショナル・ホテル・グループは、ゲーミング粗収益の大幅増とVIP部門の回復にもかかわらず、2019年、純利益が35%減少し、9億4,500万比ペソ(約20億円)に落ち込んだことを公表した。
トラベラーズは昨年10月にフィリピン証券取引所から上場を廃止した後、業績発表は行なっていないものの、その合弁事業参加者の1社であるアライアンス・グローバル・グループ(AGI)が木曜、新型コロナウイルス対策で実施した様々な取り組みを説明するプレスリリースの中で同社の19年度業績を明かした。
AGIによると、2019年のRWMの純収益は38%増の283億比ペソ(約607億円)で、ゲーミング粗収益も同様の割合で増加し、276億比ペソ(約592億円)となった。AGIは「VIP部門での回復が予想よりも早かったこと、全体的に取扱高とホールド率が向上したこと、そしてこの施設への客足が過去最高レベルの水準だったことなどに支えられた。EBITDAは55億比ペソ(約118億円)で、1年前の39億比ペソからは42%増加した」と付け加えた。
しかしながら、これらの増加はRWMの新しいゲーミング・非ゲーミング施設関連の諸経費の高騰によって相殺された。
不動産大手のメガワールド・コーポレーション、酒造メーカーのエンペラドール、マクドナルドフィリピン、そしてインフラ開発会社であるインフラコープも所有するAGIでは、19年度、グループ全体の利益が過去最高の271億比ペソ(約582億円)に急増した。
同社は木曜、現在新型コロナウイルスへの対応の中でその全事業部門に及ぶイノベーションおよびデジタル化戦略を加速させていると述べた。
ケビン・タンCEOは、「このパンデミックは当社のビジネス全体でのデジタル化の取り組みを加速させている。これには、特にEコマースアプリへの投資、双方向のカスタマーサービス管理、そして非接触型のオンライン決済などが関わっている。これが、我々がこの事業環境を乗り切り、消費者には新たな現実の下で必要な強化されたサービスを提供する助けとなるはずだ」と述べた。
AGIはまた、トラベラーズとその提携会社が、今年、パンデミックが始まってから、約1億2,500万比ペソ(約2.6億円)相当の寄付を行い、マニラ首都圏で個人防護具を提携病院に寄付、そして貧困コミュニティに食糧を配給するなどしてきたと明かした。