統一地方選挙の「知事選挙」告示が21日に迫った。
その結果によってはIR誘致の方向性が変わる大事な選挙だ。大阪、北海道に注目が集まっているが、横浜市が属する神奈川県の知事選挙でも、「IR誘致に賛成か、反対か」が、争点に上がる気配になってきた。
現職の黒岩祐治知事は、IR誘致について「基礎自治体である横浜市の判断だ」とのスタンス。知事選では自民党と公明党、国民民主党が黒岩氏の推薦を決めている。一時は立憲民主党にも推薦依頼を出していたものの、IRについての意見が一致せず、これを取り下げた。
横浜市(林文子市長)には、IRを誘致するとなれば、その最有力候補地といえる山下埠頭がある。今回の統一地方選で市長は改選されないが、市議会は29日告示で選挙戦に入る。
東京新聞によると、立憲民主党は告示後に、IR誘致反対を訴える政策ビラを配る予定もあるという。さらに野党サイドでは、共産党が昨年暮れから、「カジノ誘致NOの議会を市民の手でつくろう」と重点政策を示している。
民間サイドでも横浜市のIR誘致に関する意見は大きく分かれている。
横浜港運協会の藤木幸夫会長が、年明けから「依存症の具体的な例が目の前にあります。横浜では嫌ですよ。そんなさもしいことをしなきゃ食えない街ではありませんから」とぶち上げたのは多くのメデイアで取り上げられた。
一方、横浜商工会議所は上野孝会頭が「横浜の経済発展には欠かせない。IR誘致をぜひ実現したい」と表明している。会議所として正式に賛成の意思を示す形だ。
大都市IRの候補地として、横浜市のポテンシャルは間違いなく高い。神奈川県知事選挙に示される民意が、横浜市のIR誘致を動かす何らかのトリガーになるかもしれない。